こんな鉄砲のことを思い出しました + お宝?画像。
前回の留ブラPROの製作レポートでは30を超えるたくさんのコメントをいただき、ありがとうございました。
改めてPROへの期待の大きさを知り、褌をギュウギュウに締め直した次第です。
さて、そのレポートで“生き物の気配”とか“生身の銃”とか、思いつくままに書きながら、直後、脳裏に浮かんだのはデイビッド・クローネンバーグ監督の1982年の映画『ヴィデオドローム』の銃、肉体の一部と化したワルサーPPKでした。
なので「留ブラPROには期待してますが、生き物になっちゃったら気持ち悪いなぁ」とコメントされた方も、あんな感じの銃を連想されたんだったらムリもないと思った次第です。
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『ヴィデオドローム』はメイクアップで6回もアカデミー賞を受賞し、ただいま公開中の『ウルフマン』に参加したスペシャルメイクのオーソリティー、リック・ベイカーが、メイクをはじめSFXプロップも監修したカルト映画です。
ちょうど店主がLAに住んでいたときの作品で、リックの工房に入り浸り、主演のジェームズ・ウッズのテストメイクにも立ち合ったりして、カナダでの撮影前のほとんどのリハーサルを見学しました。
同じころ、クローネンバーグその人にもインタビューできて、その縁で、名前だけではありますが映画に特別出演もしております。
そんなことより、リックの工房では自由に仕事の様子を撮影させてもらい、生身のPPKもいくつかのバリエーションをカメラに収めていたことを思い出し、コメントへのレスのついでにご覧いただこうと、昔の映画資料をしまい込んでいる箱やらロッカーを探し回ったのですが、これがなかなか見つからない。
出てきたのは上のパブリシティ用の35ミリ・スライドぐらいで、代わりに、店主が別の日にリックの工房で撮ったこんなのを見つけました。
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1982〜83年ごろ、ミュージックビデオ『スリラー』でマイケル・ジャクソンが演じたウルフマンの最終ステージの顔を彫刻するリック・ベイカー(上)と、その直前のステージのフォーム製メイクアップ・ピースの画像(下)です。
あのときマイケル・ジャクソンのライフマスク(石膏製の顔型)を見て、なんて顔の小さい人だろうと思ったものでした。

店主はCGやデジタルが台頭するよりはるかむかし、アナログでロウテクなSFXの時代に遊んだ過去の人です。
たとえばモンスターの顔に刻まれた彫刻刀のひと彫り、ひと筋から作者の情感が伝わるような作品を傑作と呼んでいました。
ひとことで言うなら、単なる固有の形をしたマテリアルではない、アイデンティティや作家性を有するもの、魂のこもった創作物を指します。
徳信尊さんによる留ブラの原型がまさしくそれで、彼の一心不乱の仕事振りを目の当たりにするにつけ、この傑作を殺してはいけない、工業製品化にともなうデザイン上の合理化はけっしてあってはならないと思うのです。
『ヴィデオドローム』の肉塊のような銃を持つジェームス・ウッズに、完成した原型を手にとり慈しむ徳さんの姿がダブってしまう。
原型は徳さんのからだの一部であり、血を分けた子どもでもあります。
大袈裟ではなく、生気の失せた留ブラPROなど毛頭造る気はありません。
現在、マルシン工業さんで図面の書き直し中、予定より2ヵ月の遅れ。
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by tomenosuke_2006 | 2010-05-10 01:31 | TV・映画・ビデオ
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