Monsters & Misfits III、ふたりの女流人形作家インタビュー
Monsters & Misfits IIIのために新作を大挙たずさえ来日するAmanda Louise Spayd(アマンダ・ルイーズ・スペード)と、驚嘆すべき傑作を3点提供してくれるゲスト・アーティストのCarisa Swenson (カリーサ・スウェンソン)。
いずれもウサギが大好きな、いまをときめく女流人形作家であり、今展のために特別にコラボ作品も創作した。
そのふたりへの興味津々なインタビュー"Bunnies on Parade – an interview with Carisa Swenson and Amanda Louise Spayd!"がCircus Posterus newsに掲載されたので翻訳・転載する。
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CP:ウサギのどこに惹かれたのか聞かせてください。そしてできれば、お二人が子供時代にあの気味の悪いウサギの縫いぐるみを集めていたかどうかも話してくださるとうれしいです。

アマンダ:子供時代ではありませんが、私はいまでも古いくたびれたイースターバニーを少しだけ集めています。

カリーサ:私がウサギにのめりこんだのはベアトリス・ポッターのあの魅惑的な物語と挿絵からでした。そのあともっとウサギが好きになったのは、夕暮れになるといつもウサギが出てくるような祖母の家があったせいです。ウサギたちを何時間見ていても飽きませんでしたね。ウサギって外見が可愛いと思っただけではなく、元気が良くて動きの早いあの後ろ足(?)になぜか惹かれるものがありました。物語では 『ビロードのウサギ』 が私のお気に入りでしたが、『ウォーターシップ・ダウン』 を読んだり動画の漫画を見たりしたことでもう決まりでした。小さい時にはかなりの数のウサギの縫いぐるみや装飾品を集めていましたが、いまではどこかにいってしまいました。ですから私が人形作りをはじめた時に、ウサギは自然とそのテーマになったようです。

アマンダ:おかしいのは、あれほどウサギが好きだったのに、実際にウサギを飼ったことはないんですね。 いまになって思うと、子供のころの私に何がいちばん影響したかがはっきりと分かりました。その最初が 『ウォーター・シップダウン』 でした。教師だった私の母はあの本を毎年学校で教えたので、家にはいつもあの本があり、それで私も毎年のように読んだのです。それから子供のころ私が夢中になったのは、ジム・ヘンソンの 『バニー・ピクニック物語』 でした。高校生になってまたウサギがぶり返してきたのは、ジャン・スヴァンクマイヤーの 『アリス』 を最初に見た時です。
そういうわけで、私の歴史はウサギの歴史だったと言えるでしょう。でも、アートのフォーマットとしてウサギがピッタリだと思うのは、 ウサギの性格というのが表現しやすいからでしょう。あの反っ歯や耳など、ウサギっていつもびっくりしたような表情ですよね。(それはそうでしょう。自分が誰かの夕食になるかもしれないと思えば、その緊迫感で私だってそうなると思います) そしてあの神経質なところを、私は自分の作品に使っているのはまちがいありません。もちろん、あの可愛さは言うまでもありませんが。
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CP:人形作りというか、柔らかい彫刻というか、それがおもなメディアになったのはどういういきさつですか? それ以外に探求してやってみたいとメディアとかがありますか?

アマンダ:人形作りを始めたのは大学の時でした。そのころの人形はいま私が作るものとちがってずっと実際の人間に近いものでしたが、彫刻としての要素とか、アンティークに見せる手法はそのころに始まったと思っています。立体的なキャラクターを創造するということが何か非常な満足感を与えてくれるのですね。光を異なる角度からあたえたり、ちがう環境の中に置いてやったり、というようなことです。こんなすばらしいものが同時に物理的にひじょうにチャレンジになる、ということです。でも、私はつねにもっともっと上手になっているし、つね常に向上しています。それに、子供の頃、私は数多くの縫いぐるみを持っていて、それらはみんな私の仲良しでとても愛しました。いまでもその中のいくつかを持っています。人形たちを柔らかい身体に作ってやるのは私にとってはとても自然な作業です。というのは、人々が人形に触れたり手に取り上げたりしてお互いに反応しあって欲しいからです。手に持つと袋入りの砂糖のように感じられるし、その下に置いたものの形に自然と馴染み、とても扱いやすいものです。私は、人が私の作るものとできるだけ多くの接点を感じてほしいと願っています。

カリーサ:アートの一形式として人形を作ることは、私は最初好きではありませんでした。子供のころから人形はあまり好きじゃなくて、縫いぐるみの動物ばかりを集めていました。それが数年前に、クラスでストップ・モーションのモデルを制作して縫っていた時に、「あ、そうだったんだ!」と思った瞬間があって、それ以来、表現のひとつとしての人形作りに切り替えることができました。(ストップ・モーションの部分は、忍耐強くない私にとってはうれしくないものだったのです)ストップ・モーションのクラスのすぐあと、ウェンディ・フロードのワークショップに何度か参加した時に、私はすっかり病みつきになってしまったのです。それまで私はイラストレーションの方をやっていたのですが、それ以後はあまりやらなくなってしまいました。平面的なアートにくらべて、私の作る人形に対する人々の反応や共感の方がはるかに満足できたからでした。
新しいメディアといえば、いまとても興味を持っていて学びたいのは鋳物作りです。他のアーティストがそれですばらしいものを作っているのを見たからです。
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CP:何をコレクションにしていますか? その コレクションはどんなかたちであなたのアートに影響を与えていますか?

アマンダ:私のアートは間違いなく私のコレクションに影響されています。しかも多くの場合そのアートに使われることが多いですね。私のコレクションの大部分は、基本的にはアンティークなどの時代ものです。新しいものを見ることは大好きですが、同じ空間で自分といっしょに住みたいと思うものはめったにありません。私が古いものを集めるのは、時代を経たパティナのようなものがとても美しいと思うからです。見た目に美しいというだけではなく、私のものになる何十年も前から使われてきたということが、私にはまるで魔法のように思えます。私はいくつかの特殊なコレクションがあります。たとえば、1940年以前の医科歯科の機器や、歯学関係のアンティーク、使い込まれたアンティークの剥製機器、ラベルに凄い印刷の付けられた研究/医学用の瓶などです。私はフリーマーケットや店頭で見つけた "アンティークの風変わりなもの"をたくさん持っていて、それらは永久コレクションの中には入っていないので、通常私のアートに現れることが多いです。最近の私が入れ込んでいるのは、アンティークの入賞リボンです。いつも3位以下のものが好きなのは 負け犬」を応援したいからでしょう。

カリーサ:私が好きなのはガラス製品。ガラス球とか魔女の玉のようなもの。でもいつの間にか溜まってしまったのは毛糸ですね。天然繊維、手染め、アクリル、など様々な色をしたすべての種類です。自分ではスカーフより難しいものなんか編んだことはない、というのにね。私は自分のコレクションが自分のアートに大きな影響を与えたとは思いませんが、数多い未使用の糸玉から受ける素敵な色調からはインスピレーションを受けていると思います。

CP: お二人が一緒に仕事をするようになったきっかけは? 私から見ると完璧なマッチングだと大いに頷けるのですが。

カリーサ:その通りなんです。数年前私にアマンダのウェブサイトを最初に紹介してくれたのは私の歯医者の先生なんですよ! それで私はその場で感動してしまったのです。それまでの私は、彼女の ダスト・バニーズみたいなものは見たことがなくて、あのウサギの表現豊かで繊細的な大きな目に惹きつけられました。そのあと、ニューヨークの彼女の展示会『Origins of the Forest=森の起源』のオープニングで彼女に会った時に、ますます彼女への崇拝感が高まってきました。そこには二人のあいだに即座のつながりのようなものがあって、彼女のユーモアのセンスにあまり笑い過ぎて涙が出てしまったほどです。ですから、Monsters & Misfits IIIでアマンダと一緒に仕事ができるチャンスに私が飛びついたのは分かるでしょう? 私がいくつかのアイデアを出して、二人でよく話し合って、そのあとはとてもすばらしい結果となりました!

アマンダ:カリーサの作品を最初に見て以来、私は彼女の大ファンになりました。視覚的に私の大好きなものがすべてそこにあって、技術のレベルや色やディテールに対する気の配り方は、ただ、すばらしいとしか言えません。昨年になってようやく彼女に会えた時、その場でお互いが気に入ってしまったのです。その時、彼女は私と同じ 奇妙な人種なのだとすぐにわかりました。そして、彼女が共同で仕事をしないか、と言い出した時に、もうそれは起こるべくして起こっていたのです。あとは、彼女がオハイオに引っ越しができればもっといっしょに仕事ができるというわけです。

カリーサ:私たちはいっしょにやればきっとウサギの世界を制覇することができる、と確信しています。だって当然そうなるはずだから・・・

A source from Circus Posterus news.
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Monsters & Misfits III開催初日の9月13日午後5時から内覧会を、また6時から会場の日下部民藝館でオープニング・レセプションを開催します。
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by tomenosuke_2006 | 2013-08-29 06:14 | 留之助イベント
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