Tim Biskup & Seonna Hong
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南カリフォルニアの朝。
さわやかな太陽光の差し込む明るく整えられたキッチン。
ハミングバードがブーンというやさしい音をたてながらホバリングして、花の蜜を吸う様が窓越しに見える。
しぼりたてのカリフォルニア・オレンジとノンファットの真っ白なミルクを注いだふたつのグラスが、目玉焼きの皿の左右に、ひとつずつ礼儀正しく立っている。
コーヒーはもちろん薄めにたてたカフェインフリー。
テレビはつけず、シャッフルにセットしたiPod搭載の専用サウンドシステムから、いまゴリラズのGet the Cool Shoe Shineが流れている。
所定の位置に約束のものがならび、見つめ合うカップルの表情もまた、いつも通りの平和で思いやりに満ちたもの。
物静かで、イレギュラーを完全に排除した安全かつ安心できる空間。
こういうのを“絵に書いたような超クールさ”というと思ったら、そこの住人はまぎれもない絵書きのカップルだった。
ロウブロウ・アーティスト、ティム・ビスカップとシオナ・ホン夫妻。
絵に音があるとすれば、その音量を可能な限り抑えた静かで控え目な主張が、ふたりの作品の共通点といえようか。
彼らのアートワークを見ていたら、そんなふたりの1日のはじまり、キャンバスに向かうまえの朝食風景を空想してしまった。
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これは去年の秋、発売3日後には売り切れてしまったティム・ビスカップ作の8インチ・ダニー、1000個限定。ちなみに左上の緑の横縞君はティムのオリジナルキャラの9インチ・カリ。今月はじめにスペインのバルセロナで開催されたアートショーの記念に100個が会場で、残りの100個がネットで限定販売された。右上はシオナ・ホン作のポスターアート、ビッグ・ワイド・サファリ、100枚限定。すべて絶版品ですが、当店にはわずかながら在庫あります。


ティム・ビスカップのプロフィール・・・
カリフォルニア生まれのティムはディズニーランド、ラットフィンク、日本の怪獣映画、パンクロック、スケートボード、アンダーグラウンドコミックにまみれて育った。
1980年代半ばに地元のオティス・パーソンズ・デザイン学校を中退すると、イラストの世界で働き出し、スケボに絵を提供したり、イベント用のポスターを描くように。
2003年ごろからアニメの世界にも進出して、カートゥーンネットワークではオリジナルアニメを監修。
中でも短編アニメのサムライ・ジャックは、ティムが生んだお化けのような、怪獣のような、宇宙人のような不可思議なキャラクターたちと、ジャックという名の侍が共演する楽しい作品だ。
もちろんトイの世界にも積極的に参加して、ダニーやキューイの彼の作品は発売と同時に完売してしまう人気ぶり。
最近ではオリジナルTやアクセサリーなどを販売する自身のブランドGamma-Goを主催し、もっとも商才に長けたロウブロウアーティストぶりを発揮している。
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シオナ・ホンがデザインした数少ないトイ、タコガール(左)とナットハンガー(右)、キャワイすぎます。サンフランシスコのオモチャ屋SUPER7からリリースされたカプセルトイ“ネオカイジュウ・プロジェクト”全10種類のうちのふたつである。このプロジェクトにはティムも参加。さらにはゲーリー・ベースマンも不思議カイジュウをふたつデザインしている。みんな、お友だちなんです


シオナ・ホンのプロフィール・・・
ティムの妻シオナは、育児と仕事のバランスをうまくとりながら創作活動を続けるマイペースの人。
ただいま、ちょっと寡作である。
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校を卒業後、子供たちにアートを教えながら、画家として、またアニメの背景を担当する美術係として、着実に力をつけてきた。
1999年、長編アニメーションTeacher's Petの背景美術でエミー賞を受賞。
そのアニメのエグゼクティブ・プロデューサーが、まえにも触れたと思うけれど、ゲーリー・ベースマンだった。
最近やっとネオカイジュウ・プロジェクトの5人の参加アーティストによる同名のポートフォリオを手に入れた。
彼らは、それぞれ2種類のカイジュウ・デザインを担当し、シオナ以外の4人は1枚に1点ずつ絵を描いているのだが、シオナだけは2種類のカイジュウを1枚の絵の中に共演させて、マイペースぶりを発揮している。
おしまい。
by tomenosuke_2006 | 2006-07-19 23:59 | ロウブロウアート
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