8ミリ映画上映会のお知らせ/前編
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もう3ヵ月もたつんだね、時計じかけのモチャ紹介ついでに1970年代後半に熱中してたフィルム・コレクションの話、ちょこっとしたのは。
その1週間後だったか、昔の家庭用映像ソフトの8ミリ・フィルム引き合いに出して、DVDのコンビニエンスさについて書いた。
その度にshin1701さんっていう、店主と同世代とおぼしき人がコメントよせてくれて、店主、こんな(↓)レスしながら放ったらかしにしちゃってた、すみません。
「これを機会に倉庫から8ミリ・フィルム見つけ出し、懐かしいデザインのパッケージなどスキャンしようかと思います。で、それを紹介がてら、一度は店主の元を離れっていった膨大なフィルム・コレクションが、訳あって出戻って来るまでの四方山話でもさせてもらうつもりです。主演は小松左京先生、共演は手塚治虫先生、乞うご期待」
いまさらな気もしますが、書きます。
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DVDはおろかビデオソフトさえない時代のこと、フィルムを買ってまで家庭で映画を観ようなんていう人はめったにいなかった。
関西では喜劇俳優の故芦屋雁之助さんと弟の芦屋小雁さんがフィルム・コレクターとして名を馳せていた。
雁之助さんはハリウッド・ミュージカルが大好き、小雁さんはとくにホラーが強かった。
で、関東では、クレープ頬張りながらプラプラ歩くお行儀の悪い子が群がるずっとまえの原宿、つまり関係者だけで構成されていた時代の原宿だね、そこを根城にしてた20代半ばの店主こそがSF映画専門でちょい有名だったのだ。
店主も雁之助さんや小雁さんと同じように、日本で最初に8ミリ映画の輸入販売をはじめたジュネス企画さんにお世話になった。
8分とか16分間のダイジェスト版8ミリ映画をいろいろ買った。
ジュネス企画代表の西谷さんからアメリカではフルレンジの海賊版16ミリがアンダーグラウンドで売買されていることや、その種の情報が載る月刊タブロイド紙FILM COLLECTOR'S GUIDEの定期購読のしかたなど教わり、徐々に個人輸入の世界へ。
オブジェモチャの、とくにレアもの仕入れの手際のよさは、なんたって海外取引30年の経験と実績あればこそ、知恵と工夫だけは誰にも負けないのだよ。
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なんて自慢話してる場合じゃない。
とにかく気がつけばフィルムの山また山、原宿のアパートはまるで古物商か古本屋の倉庫のよう、どう見ても人が住む場所ではなくなっていた。
キッチンを占領するピンボールマシーンの下には8ミリや16ミリの映写機が何台も。
8畳間の壁一面の本棚にはSF小説や画集、マンガやプログレなレコード、SFオモチャやドンポストのマスクがギュウ詰めになり、床には8ミリやら16ミリがうずたかく積まれている。
で、残されたわずかなスペースに、それでもムリヤリ7、8人、精一杯からだを縮めて座り込み、毎週土曜日の夜は映画上映会が催された、店主の解説付きでね。
けれどそんなお遊びも70年代が幕を閉じるのと同時に終りを迎えたのだった。
ある日、突然、こんなとこで映画観てるより、映画の都ハリウッドに住んだ方がいいじゃんって。
ならフィルム・コレクションを処分して渡米の元手にしようと思いたち、SF雑誌奇想天外の曽根忠穂編集長に相談すると、さっそく2名の御大が名乗りを挙げた。
それが手塚治虫先生と小松左京先生だったのである。
おふたりに店主の希望額を告げ、入札してもらうことに。
ん〜、このときの経験がオークション好きな性格形成に一役かったということ、いま気がついたわ。
つづく。

表題の 8ミリ映画上映会はマジに計画中でありまして、詳しいことが決まり次第、参加希望者を募ります。




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by tomenosuke_2006 | 2007-04-06 22:45 | ムカシモチャ
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