8ミリ映画上映会のお知らせ/後編
2007-04-06の記事のつづき。
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1970年代に店主が集めた8ミリや16ミリのSFホラー&ファンタジー映画コレクションの希望売却価格は1000万円。
ちょっと借金もあったし、フィルム・コレクションを売っ払ったお金でそれを返し、きれいなからだで渡米したかった。
それに奇想天外社から出すことになった映画本『超SF映画』の写真資料集めにも資金が必要だったし。
1ドル220円の時代、首尾よくフィルム・コレクションが売れたとして、もろもろ差し引いて残りをUSドルに換算すると約3万ドル。
まだ原稿料で食べていけるような稼ぎはなかったから、アパート借りて、中古のクルマ買って、芽が出るまでの生活費のことまで考えると、けっして十分な額じゃない。
1970年代終りごろの1000万円は日本ではけっこう価値があったけれど、アメリカじゃ100円ライターが1ドル、つまり日本で100円のものを買うために、あっちでは220円も払わなきゃならないということ、超円安ドル高、有り体にいえば日本の2.2倍の生活費がかかるという厳しい時代だったんだよ。
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手塚治虫先生からは直接電話をいただいた。
マネージャーの松谷(現・手塚プロダクション代表取締役)さんには内緒だよと念を押され、900万円なら出せるって。
そのことを奇想天外社の曽根編集長に話すと、すかさず小松左京先生の知るところとなり・・・じゃぁオレが950万出そうじゃないか。
あっという間に商談は成立、数日後、小松先生ご指定の赤坂プリンス・ホテルへ集金に伺うことになったのだった。
1970年代の終りといえばSWの大ヒットで、映画を問わず、SFと名のつくものはすべて脚光を浴びた狂騒のSFバブル時代。
店主のような駆け出しでも、一夜にしてSF映画評論家と呼ばれるようになったくらいだもんね。
日本SF小説界のドン、小松先生の鼻息きわめて荒く、勢いはスターデストロイヤーなみ、ホテルのラウンジでひといきSF資料館の構想をお聞きして、さて集金の段になると・・・930万にまけとけや。
ぐうの音も出ないというか、店主、ブロッケード・ランナーになった気分、小松デストロイヤーにいとも簡単に呑まれちゃったのでした。
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予定よりいくらか目減りはしたけれど、LA生活をはじめる軍資金はできた。
『SW/帝国の逆襲』が公開された1980年の夏、『超SF映画』を出版すると、すぐさまLAへ。
越したその年にSWの1作目が初めてビデオ化されて、これまた歴史的な売上げを記録した。
するとその成功が引金になったのかなぁ、次から次にいろんなタイトルのビデオソフトが発売されて、いっきに8ミリ・ホーム・ムービーの時代は終焉を迎えたのだ。
店主、ほっと胸を撫で下ろす。
だって、もしフィルム・コレクションを売ろうと思いたったのが半年遅れていたら、ビデオソフトの出現で誰も相手にしてはくれなかったでしょ。
それより何より、つねに未来を予言するような傑作を発表しつづけてきた漫画と小説の2大巨頭が、つい半年先の映像文化に起こる大変革をこれっぽっちも察知できなかったんだから面白いよね、おかげで店主はいい経験ができました。

世の中すっかりビデオソフトの時代と化した1990年代のはじめ、フィルム・コレクションを売却してからおよそ10年後、すでに帰国し飛騨人(ヒダビト)となっていた店主のもとへ小松先生の事務所から電話があった。
保管するのにも場所をとる例のフィルム・コレクションを、この際タダでいいから引き取ってはくれなまいか、と。
どこにも拒む理由はございません。
かくして懐古趣味溢れる8ミリ映画上映会が開催できるはこびとなったのでした、めでたし、めでたし。

8ミリ映画上映会を5月26日(土)下呂温泉で開催します。参加希望者は留之助商店(info@tomenosuke.com)までご連絡ください。追って詳細をお知らせします。



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by tomenosuke_2006 | 2007-04-25 22:30 | ムカシモチャ
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