オモチャ屋の次は本屋になりたかった。
神田神保町や高田馬場の古本屋でCOMのバックナンバーとかハヤカワのポケットブック版SFシリーズをせっせと買っていた30年ぐらいまえ、とうことはオモチャ屋に憧れた子ども時代とくらべたらけっこう大人になってからだけど、本屋も悪くないなぁと、しみじみ思ったのだった。
うず高く積まれた書物の谷間を分け入るように進んだ店の奥に、いまにも崩れそうな本や雑誌の山に占領された机があり、その向こうに時たま上目遣いでこちらを窺う老眼鏡のオヤジがいる。
いつも本を読んでいて愛想はないけれど、質問には的確に答えてくれる。
それなら二列目を右に折れて奥から三つ目の棚の上から四段目の左端にある、みたいに。
雑然と膨大な書物の山も、オヤジにはきちんとオーガナイズされた図書館なのだ。
ちょっとカッコいいと思った。
40数年たってオモチャ屋の主になれたのをこれさいわいに、最近、オブジェモチャとかぶる内容の洋書を探し出し、せっせと仕入れているのには、本屋になりたいと思ったあの頃がどこかで関係しているような気がする。
どうせ食い潰す(?)なら、好きな本も道連れにしなきゃ“本”当じゃない。
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留之助用に本を選ぶポイントはオブジェモチャと同じく、そそられるか否かということ。
で、日本に輸入されてなさそうなもの。
Amazonでチェックして、もし国内にあったなら、それより安くできなきゃ仕入れるわけにはいかない。
こうして選ぶと、コアでギリギリなの、売れ残っても仕方なさそうな一部のオブジェモチャと似たり寄ったりなヤツに行き着く。
つまり、自分“本”位な傑作・怪作・怖いもの見た作。
中にはお気に入りのアーティストの自費出版に近い画集とかもあり、そういう場合はご祝儀代わりに多めに入れることも。
雑誌はといえば、廃刊になってしまったplay TIMESのようなロウブロウアートとオモチャの情報が満載なもの。
最新号が近日入荷予定のカウンターカルチャー・アート誌HI-FRUCTOSE(ハイ・フルクトース)がそれに匹敵する。
たとえ売れ残ってもSWINDLE(スウィンドル)同様、最後まで付き合うぞって腹をくくり年間契約したら、なんともう1冊、ハイ・フルクトース系の雑誌が創刊されることになり。
書名はillo.(イロ.)、セントルイスに編集部を置くTHE ILLUSTRATED PRESS社の発行。
内容は以下のとおり、凄いメンツによるイラストの山、イラスト原案のオモチャもありで、1日も早く見たいじゃないですか。
それはそーと、薄々気付いてはいるんだよね、次から次に仕入れるばかりで何がどこに、どれくらいあるのか店長まかせの店主では、残念ながらカッコいい古本屋のオヤジのようにはなれないってこと。
共通点は老眼鏡だけ?
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by tomenosuke_2006 | 2007-11-12 00:56 | 書店入荷新着情報
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