留之助ブラスター・アップツーデート-4。
アドバイザーをお願いしているブレランのに〜ぜきさんから届いたメール。
「ワーコンでの展示では、ご存知のようにウィーバーライフルスコープの部品がついてましたが、レジンでの複製時点ではマイナスのネジですよね。(中略)ここへきてハイデフ映像での解析から、劇中のブラスターはマイナスしか確認できない・・・よって、ウィーバー部品は現在の所有者による後づけでは?という疑念が出ているようですね。そこでマイナスネジもオプションでつけるということはいかがでしょう。どちらかが真実であっても(後に判明したとしても)どちらもOKというわけです」
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ウィーバースコープ330/29sを装着したM1903A4ライフル。
第二次大戦時、スナイパーライフルとしてアメリカ軍に正式採用された。


真意はともあれ、それまでマイナスネジだと思っていたパーツにダイアルが切られ、後日それがウィーバースコープ・ノブだと知った時、リドリー・スコット監督が目指す2019年の世界観を見事に捉えたプロップメーカーのセンスの良さを強く感じた。
プロダクション・デザインのコンセプトがSF映画『2300年未来への旅』のような整然とした、あるいは斜めにジッパーが付いた洗練ではなく、現在(1980年代)あるものにパーツやユニットを付け足したしたり改変した、1980年代の観客が実感できる地続きの未来であらねばならないという、それである。
LAに散在する元来が未来趣味だったアール・デコ・アーキテクチャーや1930年代のマシンエイジ・デザインをセットや装飾にすすんで引用し、過ぎ去った未来の混沌に2019年の都市イメージを紛れ込ませる。
デッカード・ブラスターもまた、その定義の上にデザインされたとみていいのではないか。
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1929年に自動車メーカー、ダイムラーの傘下に組み入れられたステアー社。
その実用高級銃マンリカー・ライフル・SLモデルのボルトグループ部分は
他のいかなる銃にもない美しい流線型を描いている。


正円に限りなく近い断面を持つレシーバーの丸み、滴の尾のようなボルトスリーブの流線型、それに加えて右側面の中心にウィーバースコープ・ノブを配置する。
1942年に軍に正式採用されたマシンエイジ生まれのスコープの、もっとも機械的な部分がノブであり、それはまた“機械的”という言葉が“装飾的”の同意語として用いられていた時代の産物だった。
そう考えるとブラスターを造り上げたプロップメーカーの造詣の深さや目論見に一歩近づけたような気がして、20数年ぶりに公開されたワーコンモデルのあの錆びが浮いたようなレシーバーや使い古された状態も、けっして保管方法が悪かったのではない、映画のセットや他のプロップ同様、意図的にそう仕上げられたのだろうと思えてくる。
廉価版キット、完成品、12挺限定アーティストプルーフという3バージョンで準備を進めている留之助ブラスター(仮称)のうち、アーティストプルーフについては島田英承さんがグリップフレームを1点ずつアルミで削り出し、ワーコンモデルを意識して仕上げる予定だ。
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ホワイトメタルで抜いたレシーバーのファーストラン3本。
手前の1本はテストブルーイングが施されている。


に〜ぜきさんのアドバイスどおり、マイナス・ネジとウィーバースコープ・ノブはどのバージョンにも付属させる。
また12挺のアーティストプルーフには本物のウィーバースコープ・ノブを使用したいと考えている。
さらにサファリランドのショルダーホルスター1001モデルを改造した専用ホルスターも付属させる予定でいるが、まだ5点しか入手できずに苦慮している。
ライセンスはいまも交渉中で、取得できればオフィシャル製品として売り出すことができ、LAの大手ディーラーDKE TOYS DISTRIBUTIONがワールドワイドの販売を請け負うことになっている。
そうなれば1000挺は製造できるし、販売価格も大幅に抑えられる。
ライセンス代は1挺につき3000円程度上乗せされるだけだ。
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メタルパーツと樹脂パーツの混合モデルのため強度を確保するのが最大の懸案だ。
写真左から田中工場長、島田さん、吉井代表、徳さん。


ライセンスが下りない場合はガレージモデルとして販売するしかないだろう。
3月31日月曜日、東京でのブラスター会議。
ガレージモデルを想定し3バージョン合わせて100挺、200挺、300挺の3段階で見積もりを出すよう大東製作所の吉井代表にお願いした。
一部の修正パーツを除き、ほとんどの原型は実際のキャスト製作を担当するモデルファクトリー・ヒロの廣代表と田中工場長に託され、徳信尊さんを中心に、島田さん、吉井代表も加わって最後の詰めに入っている。
実銃を握った時の、意識して手首に力を込めなければ重みで銃口が下を向くあの感覚、あのバランスを再現してほしい、まるでガバメントを構えたような。
同時に振り回してもビクともしない頑丈さを確保してほしい。
そんなリクエストを出して会議は終わった。
次回のブラスター会議は4月9日水曜日の予定。
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エアキャップの上にならぶ各種原型をメタルパーツ化する予定でいる。


by tomenosuke_2006 | 2008-04-06 23:59 | 留之助ブラスター
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