75年前のこれがシンクレア・ティラノサウルスだ!
恐竜化石ハンターにしてティラノサウルスの発見者としても名高いバーナム・ブラウン博士(1873-1963)がアドバイザーを務めたわりには、このティラノは馬ヅラ過ぎる。
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NY万博からさかのぼることおよそ30年の1933年に開催されたシカゴ万博。
そこに造られた初代シンクレア恐竜庭園を紹介する見事に古い当時ものタブロイド紙、シンクレア社発行のBIG NEWSの表紙を、問題の馬ヅラ君が飾ったのだった。
1933年といえば、メリアン・C・クーパーとウィリス・オブライエンの『キング・コング』が公開され大ヒットした年。
そのモンスター・ムービーの古典でコングと死闘を演じたティラノは、昔ながらの尻尾を地面にたらしたカンガルー風のポーズをとってはいたけれど、巨大な頭はギュッと引き締まり、近年のティラノとほとんど変わらない形相だった。
つまり古生物学者より映画界の恐竜好きの方がより現実的だったということか。
そんなふうに考えると、ますますこの馬ヅラ君は遠い昔の忘れ物ようでもあり、こうして知り合ったからにはいつまでも大切にしたいと思う過去の人なのである。
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会期中、毎月100万人が詰めかけたという恐竜庭園。
洞窟風の入り口を抜けると原寸大の恐竜世界が広がり、ブロントサウルスやステゴサウルスの生態を見物したあと、最後に馬ヅラ君とトリケラトプスの一騎打ちの丘に到着するのだ。
ここには機械仕掛けで反復運動するような、リアルなようでじつは大根役者の恐竜など1頭もいない。
人々の行く手に立ちはだかるのは背景の岩場と同じく不動ながら、堂々たる勇姿の、つまりレトロ恐竜たちなのである。
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この恐竜庭園の展示をアカデミックに解説したのが会場で配布されたシンクレア恐竜ブック(以前、表紙だけ紹介済み)。
全12ページに瞠目の恐竜イラストがカラーで印刷され、その中央見開きに馬ヅラ君とトリケラトプス(下)が登場する。
不動の原寸大恐竜を彫刻にたとえるなら、これはまさしく絵画、恐竜庭園はでっかいオブジェモチャの何ものでもないのだった。
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by tomenosuke_2006 | 2008-05-12 16:05 | ムカシモチャ
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