太っちょティラノのバックアップ作戦開始、その1。
ポリウレタンフォームやフォームレイテックスなど、スポンジ素材で作られた映画撮影用のクリーチャーが留之助商店には何匹も棲みついている。
1980年代に生業としていた映画ジャーナリストの役得?
親しくさせてもらったスペシャル・メークアップ・アーティストやモデル・アニメーターから譲り受けた思い出の品々たちである。
思い出は色褪せるというけれど、店主の場合は年老いて大脳辺縁系の記憶装置がほころんできたせいだと思う、最近、ものすごい勢いでいろんなことを忘れる。
そこへ持ってきて、思い出のよりどころでもあるクリーチャーたちの一部が経年劣化で崩壊の危機に瀕し、このままでは1980年代の記憶が欠落してしまいそうな気配なのだ。
中には30年近くたつというのに、当時のまま、びくともしない状態のものもあれば、スポンジ材料の調合方法や、まわりの温度湿度の微妙な変化が原因で変質し、塗料が干からびて剥がれたり、スポンジが弾力を失いヒビ割れてきたものさえある。
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そこで取り返しがつかなくなるまえに、店主の記憶喪失を食い止める意味でも、最近、著しく痛みが激しい『おかしなおかしな石器人』(1981年)の太っちょティラノサウルス(通称ファッティ)を、留之助商店開店3周年記念アニメを製作してくれた比嘉Bros.さんにお願いし、きちんと型取りしてバックアップをとることに決めたのだ(上下のファッティ画像は無数の傷やほころびを何度もアクリル系塗料などでレタッチしている)。
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比嘉Bros.さんこそ、格好の修復チームはいない。
『おかしなおかしな石器人』のSFXを監修した故デイビッド・アレンの元で修業を積み、アニメ・モデルの何たるかを熟知する日本でも稀有な存在だから。
できたらライセンスをとり、比嘉Bros.さんに成型・塗装をお願いして、限定頒布なんかできたら面白いと思っている。
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1/オリジナル・ファッティの脚裏に湯口用の突起を増設。2/型取り用木枠。3/木枠セッティング中の比嘉Bros.。4/ファッティ下部のアリジネイト流し込み。

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5/ファッティ上部へアリジネイトを流し込む直前。6/ファッティ上部のアルジネイト流し込み完了。7/オリジナル・ファッティを取り除いたあとのアリジネイト製モールドに石膏流し込み完了。8/石膏の複製ファッティをアリジネイト製モールドからとり出す。

アリジネイトによる型取り作業は一発勝負なので、朝から準備を整えて気温の下がる夜まで待機し、兄弟で担当を決め、水を注ぐ係、こねる係と、石膏流し込みまで何度もタイミングを計り、練習までして事に当たりました。大変でしたが良い経験が出来、今後の作品制作にも役立てたいと思います、と、比嘉Bros.さん。
このあとも、リポートをよろしくお願いしますね。
by tomenosuke_2006 | 2010-02-09 23:59 | プロップ
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