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デンマークのJakob Stærmoseが気になる
ジェイコブ・シュテルモーセと発音すると思う、デンマークのグラフィック・アーティストJakob Stærmose(ジェイコブ・シュテルモーセ)がコマーシャル・イラストレーターとして働くかたわら、趣味で描き続けているSFメカの限定版ポスターがカッコイイ。
で、彼の新作ポスターを留之助書店でも販売できるよう交渉成立、ご期待いただきたい。
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▲ Ecto-1 poster set / sold out

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▲ Batmobile '89 poster set / sold out

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▲ Batmobile '66 poster set / sold out

以上3作品は横版ポスターを三分割し、3枚セットで発売されたSFビークル・シリーズで、残念ながらすでに完売。
ただし下のブラスターは留之助書店に近日入荷する。
さらにその下のスピナーはSFビークル・シリーズの最新作で現在仕上げの途中、完成次第、こちらも留之助書店に入荷の予定だ。
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▲ LAPD 2019 Blaster / will arrive soon

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▲ Spinner / not final artwork


by tomenosuke_2006 | 2013-01-21 08:56 | 書店入荷新着情報
Anvileの最新シルクスクリーン・ポスター。
すでにご存知の方も多いと思う、『マッド・マックス』のインターセプターや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンなど、Sci-Fiビークルを描いたシルクスクリーン・ポスターで有名なテキサスのアーティストAnville(アンヴィル)の最新話題作『ブレードランナー』のポリス・スピナー。
オンライン通販で買おうかどうか迷っていたら、というのもサイトで見る限り、2019年のLAのカオスを捉えたわりには色がケバ明るくて、期待に反していたからなんだけれど、敬愛するオブジェモチャ作家FERGから何の前触れもなくポスターが送られてきて実物と対面したら、これはもう、自信を持ってみなさんに勧めるっきゃないかと。
店主が譲り受けたのは2種類あるポスターのうち、『Canyons of San Angeles Variant』と題された深いメタリック・ブルーの台紙を使った方。
本物の風合いをぜひご覧いただきたく、プロのカメラマンに複写をお願いしたのが下の画像なんである。
ちなみにFERGとAnvileは同郷の友人同士だとか。
そのFERGとは最近とくにTrable Boy留之助限定版の件でヤリトリが多く、留ブラPROをお買い上げいただいたりもして、すっかり店主の好みを読まれていたようだ。

お求めはAnvile.net-Shopで→http://www.anville.net/shop.html
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This beautiful silk screen poster created by Anville was given by Ferg whom I respect.
I hear that Ferg and Anville are the friends which live in the same Texas.
by tomenosuke_2006 | 2011-09-08 21:00 | ロウブロウアート
シークレット・ギグ。
飛騨地方を地震が襲った28日、日曜日。
JR高山線が不通となったため、クルマで名古屋まで出て新幹線に乗り継ぎ、人形町の三日月座で夕方5時から開催された極プライベートな映画上映会『BLADE RUNNER SECRET GIG』に参加した。
1981年2月23日付けの最終スクリプトに近付けることに主眼を置き、DVD BOXに収録されている未公開シーンや削除シーンを用い、必要に応じ字幕も打って創り上げた上映時間2時間半のTHE ULTIMATE WORKPRINTをコッソリ観る会。
知る人ぞ知るシュウさんによる執念の仕事を、仲間のポスターマンさんが尽力し、映画評論家の滝本誠氏をプレゼンターに実現した。
上映される写真も写真なら、集まって来た人たちも只事じゃない、まるで試写室も、映画の後の三日月座カフェでの懇親会でさえ、そりゃぁ高濃度で粘りっこく、ドブロクの酒樽の中にいるような気分。
下戸の店主は一足飛びで酔っぱらってしまったのだった。
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by tomenosuke_2006 | 2011-02-28 23:59 | TV・映画・ビデオ
アンドロイドはデッカード・ダニーの夢を見るか?
絶対見ないと思うけど、もし見たら、うなされる。
留ブラnanoのご購入者からflickrで見つけたカスタム・ダニーの画像を送っていただいたので、さっそくご紹介します。
ブレラン好きのダニー・コレクターとしては、ナンと言ってよいか、オリオン座の近くで燃える宇宙船やタンホイザーゲートのオーロラの如く、信じられぬものを見せられたような気分、できればnanoを握らせたい。
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More: デッカードなダニーの横顔。
by tomenosuke_2006 | 2009-12-08 23:59 | イマモチャ
これで決まりだ、LA派遣。
5月1日に開催されるハリウッド・オークションProfiles in Historyの出品カタログがようやくPDFでDLできるようになった。
Forry Ackermanの膨大なコレクションが今回のオークションの目玉と謳われ、早くからその一部が公開されてきたが、デッカード・ブラスターについての公式なアナウンスは久しくなかった。
カタログにロットナンバー876としてリストされたのを見て、やっと確信した次第である。
アーティストプルーフの最後の仕上げに苦心していた島田英承さんに、さっそくスケジュール調整をお願いした。
留之助ブラスター念願の工業製品化リサーチのため、もちろん徳信尊さんと榎本店長にもLAへ飛んでもらう。
オークション主催者と面識がおありのハリコレの胸組代表も同行し、オークション前日のプレビューで本物のブラスターをじっくり手にとり検証できるよう段取してくれることに。
デッカード・ブラスターの出品文には4個のレッドと2個のグリーンのLEDが点滅すると、いささか信じがたい記述もあるが、留之助チームには積年の疑問をすべて晴らすべく精進してもらいたい。
で、私用で飛騨を動けない店主は、現地から届くリポートを逐一ここで紹介するつもりだ。
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by tomenosuke_2006 | 2009-04-06 15:39 | 留之助ブラスター
リチャード・コイルのオールメタルを忘れてた。
留之助ブラスターの開発に気をとられ、完全に忘却の彼方にあったコイルさんのオールメタル・ワーコンモデル。
とりあえず日本輸出向けに銃口を閉塞し、トリガーとハンマーを連動させるパーツを取り除き別便で送るとこまでは了解してくれたものの、メタルのレシーバー部分やトリガー回りをイエローかゴールドで着色するよう頼んでも絶対聞き入れてはくれなかった。
ので、返金を求めると、すでに製作に資金を投じたため返す金はないと言ってきて、一時は険悪な関係に陥っていた。
じつはそのころ留之助ブラスターの製品化のメドが立ち、コイルさんのオールメタへの興味は徐々に薄れるあんばいに。
が、その後、紆余曲折あってコイルさんにはひとまずアメリカの知人宛に、いっさい手を加えない素の2挺を送るよう頼んでいたのがとっくに到着済みで、あとはその知人に日本向けの合法処理を支持するばかりだったのを忘れていたのだ、おめでたい。
それを思い出させてくれたのはブレランのに〜ぜきさんのブログALL THAT BLADE RUNNERでコイルオールメタがちょこっと触れられているのを目にしたから。
確かにに〜ぜきさんのおっしゃるとおり「フルメタルって・・・よくわからんけど、まずいんじゃないでしょうか。みなさんも、楽しいはずのブラスター趣味のせいで、警察に家宅捜索なんて悲劇に見舞われないように、各自十分情報収集の上、いろんなものを購入してくださいませ」ですよね。
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コイルオールメタのその他の画像はこちら。
by tomenosuke_2006 | 2008-08-05 10:46 | プロップ
ブレードランナーの宇宙に移住する日。
経年劣化して緩んだ輪ゴムのように、涙腺も年を重ねると締まりが悪くなるのだろうか。
重く不安な旋律越しに、あかがね色に浮かび上がる2019年の夜景を眺めただけで、もう涙が溢れる。
25年ぶりに大スクリーンで『ブレードランナー』と再会を果たした直後、オープニングの一瞬に不意を討たれてしまった。
この動揺は一体どうしたというのだ、断続的に最後まで幾度となく目頭を拭わねばならなかった。
本来なら『ブレードランナー・ファイナルカット』(BRFC)の感想文を早々にまとめ、徳信尊さんが心血注いで原型作りを進めている留之助ブラスターの経過報告に移る予定が、あれから1ヵ月が経つというのに、気持ちの整理がつかないでいる。
2007年11月17日、午前10時10分、新宿バルト9。
あらかじめ友人がネット予約してくれた座席はF-14、シアターのほぼ中央に位置し、スクリーンを正三角形の底辺に見立てるなら、そこは頂点に当たる最高のポジションだった。
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1997年にデジタルの改造手術を受けて死んでいった『スター・ウォーズ』の二の舞いにならんことを祈りながら席に着く。
が、いつの間にかそんな心配をしたことすら忘れていた。
『ブレードランナー』にはあらすじをなぞるだけではない深い世界観を有する映画があることを学び、いつの頃からか登場人物たちは俳優にその姿を借りた2019年のロサンゼルスに実在する愛すべき人たちなのだとさえ思うようになっていた。
映画が映画でなくなる奇跡を体験していた。
リドリー・スコット監督がBRFCでやった仕事は、そういった心情をすべて汲みながら、写実主義を全うするための最後の仕上げだったのだ。
映像に過剰な改変は見当たらず、世界はあの時のままに保存されていた。
大きな変化は鼓膜が聴き分けることとなった。
新しい効果音が幾層にも重ねられ、厚みを帯びて画面から溢れ出し、ついには観客を包み込む。
単に臨場感などという言葉では言い表せない映画に我が身が溶融するような感覚、スクリーンに広がる別世界の空気を自分も吸っているような共生感を味わった。
気がつけばブレードランナーの宇宙に移住していたのだった。
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スコット監督の饒舌な映像フットワークとは裏腹の寡黙な態度に心惹かれる。
『エイリアン』や『ブレードランナー』を観ればホラーやSFの常套句、ハードボイルドの記号化されたイメージをいくつも見出すことができるし、その映画ボキャブラリーの豊かさ、研究熱心さには舌を巻くばかりだ。
個々のキャラクタゼーションについても同じことがいえる。
たとえばデッカードに『三つ数えろ』(1946年)のハンフリー・ボガード演じるフィリップ・マーロウのシリアスとコミカルを重ね合わせ、彼がスネークダンサーのゾーラを楽屋にたずねるくだりは、マーロウが事件の謎を追って古本屋に探りを入れるシーンに呼応する。
レイチェルはどこから見ても『マルタの鷹』(1941年)のオーショネシー(メアリー・アスター)の美貌と物腰だし、ロイ・バッティの表情、とりわけ目の演技は同じ『マルタの鷹』のジョエル・カイロ(ピーター・ローレ)そのままだ。
しかしスコット監督はそれらの原典や手の内を披瀝はしない。
SF映画が気品高いハードボイルドの香りを湛えていることの不思議を、読み解く楽しみをちゃんと残しておいてくれる。
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さらには苦心して撮り上げた数々のフッテージを潔く切り捨てていく消去法の美学について、またそれが映画の神秘を濃厚にすることを知り尽くした人でもある。
シーンの後の、あるいはフレームの外の出来事に、気を揉まない人はいないだろう。
余情といえるかも知れない、言外に感じさせる空気や雰囲気や世界や宇宙・・・ゆえに深みに嵌まってしまう人たちの何と多いことか。
大量宣伝に慣れた観客がそれ以外の作品に目を向けようとしない現実の中で、東京と大阪の2館のみとはいえ静かにBRFCが劇場公開されたのは、今年いちばんの収穫だった。
25年ぶりの『ブレードランナー』がすでに古典の貫録を帯びていることに、感極まったのだった。
(記事に添付する適当な画像がないため、上から2点は『ブレードランナー』のSFX製作中のEEGを取材してまとめた自著から転載した。またすぐ上の画像は左が『三つ数えろ』、右が『マルタの鷹』のDVDジャケット)

ブレランのに〜ぜきさんのブログを横目で見て、自分だけDVDが届かないのはブレランの神に見捨てられたんじゃないかと思いながら、念のためAmazonのアカウントサービスをチェックすると、うかつにも"レイ・ハリーハウゼン コンプリート・コレクション"(12/19発売)と一括発送にしていたのをいま知った。
別の意味で泣けてくる。
by tomenosuke_2006 | 2007-12-17 15:30 | TV・映画・ビデオ
「どうでした?」とかけて、「暇なスケートリンク」ととく。
で、そのこころは、「思いっきりスベリました」。
19日月曜日、名古屋市の金城学院大学文学部英米文化学科のゼミで、大勢の可愛いお嬢さん相手に約90分間、カルトムービーについて語ってきた。
いろんな点で映画のウマが合うマシュー・テイラー教授にご用意いただいた標題は、『カルトムービーの起源と影響』。
おかげでカルトムービーについて、とりわけ『ブレードランナー』を考えるちょうどいい機会となった。
じつはゼミの2日まえ、土曜日の午前10時10分、店主は新宿バルト9の大スクリーンでブレランと25年ぶりの再会を果たしていたから、その映画について語る段になるとついついリキが入ってしまうのだった。
だからここでも『ブレードランナー・ファイナルカット』(BRFC)について一筆啓上したく、そのためにもゼミで語ったカルトムービーの“意味”のようなものを簡単に書き留め、前振りに代えたいと思う。

カルトムービーという言葉が一般に使われるようになったのは1985年、USC出身の映画ジャーナリストDANNY PEARYが書いた本『CULT movies』に由来している。
カバーにはこんな副題も。
クラシック(古典)、スリーパー(予想外に当たった映画)、ウェアード・アンド・ワンダフル。
店主的にはカルトムービーとは撮ろうとして撮れる類いの映画ではないと考える。
ジャンルではなくて、称号のようなもの。
しかもアカデミー賞の選考委員や高名な批評家など権威が決めたり与えたりするのではない、映画ファンの熱烈な支持や情愛を何世代にも渡って得られる類い稀な映画、それをカルトムービーというのではないかと。
その精神はカウンターカルチャーにも通じる。
型破りであるがゆえ、時には投資家やスタジオとぶつからねばならなかった映画。
完成すると、さらに無知な批評家の集中砲火を浴びる。
が、最後には体制が屈服するような成功を収めるのだ。
ストーリー展開だけでなく、映画そのものが演じた波乱にさえ痛快を感じ、観客はその両方に歓喜する。
カルトムービーとは作り手と受け手の精神が共鳴する様をいうのだ。
そういう意味でもブレランは店主が知る最後のカルトムービーといえるのだと熱弁をふるったものの、そのゼミにはブレランを観たことのあるお嬢さんはほんの一握りしかいないのだった。

BRFCについては後日、また。
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by tomenosuke_2006 | 2007-11-20 23:59 | TV・映画・ビデオ
ブレランをめぐる暴言 3/3 「徳信尊の挑戦」
2007-03-27の記事のつづき。

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↑ 読売新聞1982年7月5日付け夕刊より、ボーヤ時代の店主が週1のペースで連載していた『USシネマナウ』の記事。はからずも完成した映画『ブレードランナー』について書かれた日本で最初の紹介記事となった。


玩具に関する一切のライセンスを引き受けるなら契約を進めてもいいと言ってきましたが、そうなると1千万円は下らないでしょうね。
先方はデッカード・ブラスターのライセンスだけを切り売りするような仔細なビジネスに興味はなさそうです。
一括で契約し、その契約者がフィギュアやプラモデルなどの商品化を希望する他の玩具メーカーとライセンスを分け合うことを望んでいます。
ですからハリソン・フォードのシグネチャー版を作り、サイドショーを通じワールドワイドで販売するという計画も残念ですが諦めねばなりません。
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↑ カスタムガン作家、徳信尊(トク・ノブタカ)は図面引きにおよそ2ヵ月半を費やした後、ブラスターの本体部分、つまりチャーターアームズ・ブルドックの原型製作に取り掛かった。彼が使用する素材はほぼすべてがABSのブロックとプレートである。実銃がそうであるように機械加工に拘り、必要に応じて加工用の刃物を自作。とりわけエッジの処理には細心の注意を払った。右下の画像はブラスターのバレルを取り付けた状態。


知人のライセンス・コーディネーターにはデッカード・ブラスターの商品化権を交渉してもらう一方で、海外での販売チャンネルの確保や、サイドショーが取引の条件として言ってきたフォードのシグネチャー版製作の可能性も探ってもらっていた。
さいわいフォードのエージェントからは1サイン=200ドルで500以上なら請け負うと内諾も得ていた。
サインでおよそ1200万円、ブラスターのライセンス代300万円(業界相場)、そして商品開発や製造の費用、さらに広告宣伝費など、下呂温泉にある土地建物を抵当に入れれて資金を捻出するつもりだった。
留之助商店で進めているブラスターは、なんとしてもオフィシャルな製品として発表したかった。
それにふさわしい仕上がりになると固く信じていたからだった。
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↑ 徳の作業はすべて数値を元に進められる。たとえばステアー・レシーバーの後端部の特徴的なストリームラインを再現するにも、彼はそのカーブを0.5mm刻みに分解して数値表を作製し、それに従って加工した後、慎重に研ぎ上げる。レシーバーの内側も実銃通りの仕上がりである。右下の画像は本体完成間際、レシーバーの先端部が2mm短いことが判明し、延長するためバッサリと切断してスペーサーを接着した状態。


ブレードランナーは1982年6月25日に全米公開された。
その1週間前、外人記者クラブからの直前の電話連絡で試写に出かけてみると、スタッフもいればプレス関係者も招かれるという最初で最後の公式な試写会だった。
スニークプレビューの評判が芳しくなく、間際まで改編作業が続けられていたとか、一部録り直しがあったらしいとシネフェックスの発行人ドン・シェイやシネファンタスティックの編集者ジョーダン・フォックスが語っていた。
ロビーではこれから始まろうとする映画よりも、むしろ大ヒット中の『E.T.』の話題で持ち切りだった。
ほとんどの人たちが絶賛していた。
君はどう思うかとたずねられ、あの宇宙人のデザインはいただけないねとこたえたら、そういうディテールで語る映画ではなく、ハートで観る映画なんだと諭された。
相手は誰だったか思い出せないが、そういう意見が大多数を占めていた。
ETは単なるSF映画ではないと、訳の分からぬ説明にうなずく人も少なくなかった。
試写のあともETを讃える声にブレランは圧倒されていた。
ブレランのセット・デコレーターでさえ、ボガードを意識したようなハリソン・フォードのオーバー・ボイスが鼻につくと言っていた。
店主にはフォードの声のどこがそんなに悪いのか分からなかったし、単なるSF映画ほど素敵なものはないと改めて思ったのだった。
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↑ 左上最初の画像はマガジンハウジング(ステアーのパーツリストではトリガーガードと呼ばれるパーツの一部)のジグ、マガジン内部の構造や機関部との関連を推考しながら形状を決めた。2点目は完成した中空ハウジング、おそらくブラスターの中でももっとも複雑で美しいストリームラインとストレートライン、滑らかさと鋭さが渾然一体となった部分ではないか。徳の苦心は並大抵ではなかっただろう。


徳信尊さんからメールが舞い込んだのは今年2月上旬のことだった。
“デッカードブラスター”で検索をかけたらこのブログに辿り着き、読み進んでいくうちに彼が高校生のころ親しんだSF映画関係の記事や本の執筆者と店主が一致したとかで、自己紹介をかねた数点の画像付きメールを送ってきたのだ。
もとより銃に目がない店主は徳さんが造ったというコルトSAA用の象牙のグリップやライフルの木製ストック、S&W-M19をM10にカスタマイズしたモデルガン、木とABSでフルスクラッチしたボーチャード・ピストルなどの画像に唖然とするばかりだった。
カスタムガンやガレージキットにありがちな手作りのブレとか造りの甘さなど微塵もうかがわせない。
隙がない。
むしろ工芸品とでも呼びたくなるような高い完成度、そしてその向こうに垣間見えるひた向きで情熱的な個性。
デッカードブラスターを検索したぐらいだから、その名SF銃に興味があるに違いないし、だったら1挺、個人的に決定版を造ってはもらえないかと思ったのが事の始まりだったか。
そのあとすぐ徳さんがブラスターを製品化する夢を追い続けていることを知り、またたく間に計画はスタートしたのだった。
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↑ シリンダー、トリガー、トリガーガードの製作。右上から2番目と3番目の画像はフィンガーレストの図面と、削り出し作業を示す。一般にグリップエンドと呼ばれているそれをフィンガーレストと解釈し、命名するあたりがガンマニアの徳らしいところである。


ブラスターに独自のオピニオンを持つ榎本龍彦店長に製作進行係をまかせた。
徳さん紹介のカスタムナイフ作家で、あらゆる種類の金属加工に秀でて銃刀法にも詳しい島田英承さんには、金属や樹脂などパーツ製作の根回しから製品化にいたるまで、全面的に協力いただくことになった。
旧知の友ブレランのに〜ぜきさんにはファンの目、マニアの観点から、徳さんの原型を考察したり批評いただくことにした。
プロデューサー役の店主はオフィシャルなブラスターの製作を断念し、他のガレージモデルとよく似た販売方法を模索しなければならなくなった。
ライセンス・コーディネーターからまったく別の次元で駆け引きされているブレラン・ビジネスの実態を聞かされ、ブラスターの商品化権を取得することなど端から無理な注文だと思い知ったのだった。
ブレランやブラスターへの思いをライセンスという手枷足枷で封じ込まれてなるものかと強く意識した。
くだんのライセンス・コーディネーターいわく、彼らがライセンスを積極的に売り込もうとしている先は、日本ではただ1件、パチンコ業界なんですよ。

さらに。
by tomenosuke_2006 | 2007-10-28 22:56 | 留之助ブラスター
リチャード・コイルのオールメタル・ワーコンモデル。
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数日まえ、リチャード・コイル氏からオールメタル・ワーコンモデルの出荷準備が整ったという内容のメールが入り、その後、輸入に関するさまざまな問題をクリアすべく、のべ12回のメールの交換をした。
日本のトイガンを取り巻く厳しい状況や法規制が理解できないようで、説明にかなりの時間を要した。
メインの金属パーツを黄色や白色にスプレーするよう頼んでも、けっして承諾してくれない。
そんな彼と日本の法規制を遵守したカタチでの別のカスタマイズの合意がとれたのがつい数時間まえのことだった。
しかし税関検査を担当する係官の腹ひとつで問題視されたり、されなかったり、店主は幾度となく不可解な経験をしてきたから気が気じゃない。
銃関係ではアンクルカービン用のブシュネル・ファントム・スコープ。
送り主が小包の送り状に“ピストル・スコープ”と但し書きしたために税関で足止めを食い、もし銃関係の部品を輸入したいなら通産省の特別な書類を用意しなければならないといわれた(これが大変な仕事なのだ)。
幸運だったのは係官がイジワルじゃなかったこと。
この品物に望遠効果があると認められるなら、望遠鏡として申請し直すことで通関できると(抜け道を)教えてくれた(いつもこうとは限らない)。
それからはスコープを輸入するときは、かならず“テレスコープ”と記載してもらうようにしている。
最悪だったのはティム・ビスカップのオブジェモチャ、陶器製のトーテムポールを輸入したときのこと。
送り状に“テーブルウェア”とあったのが運の尽きだった。
食器だけは他のいかなる陶磁器製品とも異なり厚生省の管轄となり、食品を輸入するのと同じような手順を踏まねばならないのだ。
運が悪いとしかいえない、見れば明らかに置物なのにけっして聞き入れてもらえなかった。
で、どう解決したかというと小包を送り主に返送し、安全な名目(このときはトイ)で再度送ってもらったのだ(これがいちばん手っ取り早い)。
ちなみにオールメタル・ワーコンモデルの但し書きは "Sci-Fi Toy"、SF玩具ということにしたのだった。

全方向オールメタル・ワーコンモデルです。
by tomenosuke_2006 | 2007-09-21 18:29 | プロップ