留之助ブラスター2019、東京コミコンで数量限定先行発売 - その1
Tomenlosuke Blaster 2019 @ Tokyo Comic Con - #1

かつてホワイトメタルとレジンを主材料にしたガレージモデルの“留ブラOG”を造る際、専門家にクリア・レジンでキャストするグリップの厚みには限界があると言われ、本来なら左右のグリップの中央あたりをあと0.4〜0.5ミリほど厚く盛りたかったのを断念していた。マルシン工業で“留ブラPRO”を造ることになると、グリップの製造も量産に対応できる別の成型工場に委託したが、そこでも同じことを言われた。いや、現状の厚さでも気泡やヨリが出やすく、品質の保証は出来かねるとさえ言われた。
マルシン工業を離れ、専門の工作チームを編成して留ブラを造ることに決めた際、グリップの成型工場も見直し、高度な真空注型工法に定評のあるコスモリブレさんに切り替えた。留ブラ用グリップをはじめスタント・モデル・キットや1/5ノベルティ留ブラ、1/6nanoやポリス・モデル用グリップなどを造ってもらうかたわら、徳信尊さんによる肉厚グリップの原型を使った試作にも協力いただくことになった。1年前のことである。レジンの収縮を想定した原型製作とシリコンでの型採り・成形が1発で決まるはずはない。それは気の遠くなるような作業の応酬だった。オリジナル『ブレードランナー』のブラスターを造るには、肉厚グリップをモノしなければ始まらないのだ。他の改修個所は資金を投入して金型を新造すれば解決できることは承知していたが、グリップだけはそうはいかない。失敗を重ね、解決策を模索し、技術を培う必要があった。
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art by Mark Raats


上のポスター:映画秘宝編集部さんと、秘宝の別冊『ブレードランナー究極読本&近未来SF映画の世界』のカバーアートを担当されたイラストレーター、マーク・ラーツさんのご好意で、“留ブラ2019”完成記念ポスターを作成しました。東京コミコンで毎日50枚、無料配布の予定です。

The "Tomenosuke Blaster 2049" was used in the movie "Blade Runner 2049," and as its name suggests, it is the model that became the real thing. However, several improvements were needed to be able to carry the name of the Blaster from the original "Blade Runner" movie. Most of these improvements could be resolved by making a new mold using the equivalent funds, but the clear resin cast grips served as the only obstruction. If possible, we wanted to make the central part of the left and right grips 0.4 - 0.5 mm thicker, but we were told by the molding plant that this was impossible. In fact, we were even told that they could not guarantee high quality with the current thickness, as it was prone to air bubbles and wrinkles. Our encounter with a new factory that could meet our demands one year ago made this possible. After that, we could not find any reason not to create the Blaster from the original "Blade Runner." We christen this new Blaster the "Tomenosuke Blaster 2019" based on the age that the movie is set in.

The parts that were improved are as follows.
The mold was newly created to change the shapes of the bolt, bolt handle, and magazine housing. The left-cylinder cover is now formed of two parts and has a different shape. The diameter of the collar toward the back of the sleeve is smaller. The locations of the three screw holes on the Blaster grip frame that secure the Charter Arms grip frame have been changed.




話は“留ブラPRO”に遡る。 “留ブラOG”をブラッシュアップした完璧な原型を元に、マルシン工業出入りのフリーランス設計士が“留ブラPRO”の金型図面を引いたのだが、組立作業に都合のいい改変や、自分の好みを反映させて、出来上がった金型からキャストされたパーツの多くは納得できるものではなかった。金型の修正や造り直しに余分な資金を投入しなければならなかった。件の設計士はいつの間にかいなくなり、マルシン社員の設計士が後を引き継いだ。しかし資金が底をつき、目をつぶらねばならない個所がいくつも残った。その後、アメリカのHCGが北米の販売を買って出てくれ、大量に注文してくれたのを機に、改修を再開した。そうして生まれたのが “留ブラPROリテイラー・エディション”だった。まだ課題は残っていたが、当時としてはありったけの資金を注ぎ込み、できる限りのことはした。これが最後の留ブラになると思っていた。
にわかに状況は変わった。映画『ブレードランナー2049』で“リテイラー・エディション”が採用され、文字通り本物となった留ブラは一躍脚光を浴び、諦めていた改修資金を生み出してくれたのだ。留之助商店工作チーム製造の留ブラを、“PRO”から“留ブラ2049”と改名したのは、映画に使われたからという理由だけではなかった。いずれオリジナル『ブレードランナー』のブラスターを納得がいくかたちで製品化できたら、その時は映画の時代設定に合わせて“留ブラ2019”と命名し、二種類の留ブラを共存させたかったからだ。
徳さんとコスモリブレさんの根気強さと探究心が、遂に肉厚のレジン・グリップを現実のものにした。もはや “留ブラ2019”を造らない理由はどこにも見当たらなかった。必要な金型はすべて新造した。ボルト、ボルト・ハンドル、マガジン・ハウジングの形状を変えた。L-シリンダー・カバーを2パーツで構成し、形状を変えた。スリーブ後端のカラーの径を細くし、チャーターアームズのグリップ・フレームを固定するブラスター・グリップ・フレームの3カ所のネジ穴の位置も変えた。

この“留ブラ2019”は初回生産300挺のうち、200挺を国内販売用に充て、うち50挺を東京コミコンの当店ブース(C-005)で先行発売します。 “留ブラ2019”完成記念の豪華オマケ付きセット。必ずや喜んでいただけることと思います。詳しくは続報をお待ちください。
by tomenosuke_2006 | 2018-11-26 10:58 | 留之助ブラスター
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