異次元なゴリラズ・ソング・マシーン・バンド
Odd bootleg of the Gorillaz Song Machine Band

ゴリラズついでに。
覚えていらっしゃいますか、2021-04-15のブログでゴリラズ・ソング・マシーン・バンドを定価の半額で販売する詐欺サイトのキャプチャー画像をご覧に入れながら、注意喚起させていただいたことを。
けれど興味本位な留之助としては実態を探ってみたくもあり、また、いたいけなモチャファンをFBやらSNSを使って巧妙にオーダーページへと誘導し、結果、当店の営業を著しく妨害してくれたのも看過できず、自らいかさまの魔境に飛び込みウソを暴くことに決めたのでした。
とまぁ、ぼったくりバーの潜入リポートよりはお気楽な体験談を、この機会に記しておきます。
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じつは詐欺サイトが目立つようになって以降、当店で予約注文された方のうち数人からキャンセルの申し出があり、件のサイトとキャンセルの因果関係を察しつつ、対応させていただきました。
あまり思い出したくありませんが、その中のお一人がかなり強硬な方で商品代金の返金の上に振込手数料まで求められ、ますます詐欺サイトへの怒りが増しました。
とにかくソング・マシーン・バンドを安売りする英語で構成された3つのサイトで、それぞれ2セットずつPayPal決済で注文したのですが、注文の確認メールがいっこうに送られてこない。
数日後、痺れを切らせそれぞれメールで問い合わせると、なんと3者から "收款邮箱" (中国語で "領収書メール" の意味)という同じ件名と内容のレスが3通返ってきたのです。
つまりサイトは違っても、運営者は同じということなのでしょう。
「返金も含め、どんな要望にも応じるので、お互いの利益のためにもPayPalだけにはクレームを入れないでほしい」。
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相手は中国人のようだし、もしかしたらオリジナル製品を工場から横流しするのかもしれないと、変な期待を抱きながら納期についてたずねると、レスもよく、Superplasticと同じスケジュールを知らされ、横流し説がますます濃厚になってきたのでした。
しかし出荷時期を過ぎても商品は届かず、これ以上遅れるなら返金してほしいとメールすると、これまた即座に「データを照合したいのでPayPalの決済済みページをキャプチャーして送ってくれ」と言われ、そうすることに。
そんなに悪人ではなさそうに思えてきたりして、返金を待っていると、今度は「1週間後には製品が完成するがどうする?」と訊いてくる。
それなら製品を送ってほしいとレスをして、さらに待たされること1ヶ月あまり。
途中何度かメールでやりとりしているうちに根負けし、諦めがついたころにひょっこり届きましたよ、ゴリラズ・ソング・マシーン・バンドの異次元版が。
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この記事の画像の小さい方のフィギュアが異次元版。
ソフトビニール製の完璧な本家Superplastic製品に対して、異次元版はポリストーン製で完全筆塗り。
線はヨタつきベタはマダラだらけ、ツッコミどころ満載のいびつな出来にはじめは苦笑するばかりでしたが、付き合っているうちになぜか愛おしくさえ思えてくるのでした。
お金だけとってダンマリを決め込むわけではなく、曲がりなりにもゴリラズを作って納品するところが几帳面ではありませんか。
面長になって少女らしさが干上がったヌードル、それでもギターの "ROUTE 666" のマークを一生懸命コピーしているところにひたむきさを感じます。
垂れ目になって別人のごとき2Dもしかり、本物のディティールに近づけようとする努力が技術不足ではかなく空中分解し、ズボンの長さの中途半端さが田舎の少年のようで親しみが持てます。
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ベタ塗りが下手すぎてタムシに感染したような気の毒な顔のラッセル、けれどそのドラムセットの稚拙ながらもオリジナルを真似ようとする前向きな仕事ぶりに目頭が熱くなります。
それに引き替え、濃いめの緑の肌がアマゾンの半魚人を彷彿とさせるマードック、そのベースギターの投げやりな仕上げはどうしたものか。
いっさい見せ場がないのが返って潔すぎます。
きのうまでお土産の陶器製貯金箱や置物を作っていた場末の工場のおじちゃんおばちゃんが、世界に多くの熱狂的なファンを擁するバーチャル覆面音楽バンドを予備知識ゼロで作ると、オリジナルにはない隅々まで手作り感が漂う異次元作品が生まれることが分かりました。
それだけでも収穫なのでした。
ゴリラズ・ソング・マシーン・バンド異次元版はMirock-Toyの物好きな金子洋平くんに1セットお買い上げいただき、あと5セットは物置で眠っています。
Superplastic製品の公式取扱店の留之助としては、サイトで大々的に売り出すのもはばかれ、希望者には内々で提供しようかと。
気になる方はメールください。
それにしても振込手数料込みで返金を迫った例の人、異次元版に満足できたのでしょうか、機会がございましたら感想をお聞かせください。
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by tomenosuke_2006 | 2022-03-28 20:10 | Superplastic 新製品情報
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