縮みゆく留ブラ、その3
The incredible shrinking Tomenosuke Blaster part 3

スラッシュ成形という日本の伝統工芸のような技術で作られるソフビ・フィギュアは、成形上の制約や約束事などを踏まえてデザインされています。
パーツがどれだけ増えてもいいのなら話は別ですが、思いのままの原型を、ほぼ変わらず複製できるレジン製品のようにはいかないのです。
中空(壺状)の金型に溶けてドロドロのソフビ材を流し込み、金型のまわりに貼り付いた素材を加熱して厚みや形状を整え、その金型から固まったばかりの柔らかいソフビ・パーツを引っ張り出す。
たとえば極端な逆テーパー状のパーツだと金型から引き抜くことができないとか、形状やサイズにもよりますが、パーツは金型の穴の径よりだいたい2倍以上大きくできないとか、いろいろ縛りがあるのです。
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冗談ではじまった留ブラ・ゴム鉄砲が木製品の共栄さんのおかげでモノになり、それがまた好評だったりすると、今度はソフビの番だと思うのは自然の成り行きなのでした。
ソフビ版では、ゴム鉄砲の大胆なディフォルメとは異なるアプローチをしたくなり、ディテールはなるべく残し、縦(グリップ)と横(レシーバー)を思いっきり縮めて、ハンターカスタム用木製グリップを装着したMGC製S&Wハンドエジェクターが、ノーマルグリップのチーフスペシャルに変身したような、目鼻立ちはソックリだけれど可愛らしさが断然ちがう留ブラを造ることに決めたのです。
とりあえずそれを、"留ブラ・チビ" と呼ぶことにします。

※ MGC製S&Wの例えが古すぎて、なかなかご理解いただけないかもしれません。モダンな鉄砲を引用した、もっと分かりやすい例えがございましたらお教えください。
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が、立ちはだかるのはソフビ製作の数々のセオリー。
いちばんの悩みどころは、いかにパーツを少なくし(製造原価を抑えるため、強いては小売価格を安くするため)、どこに分割ラインを定めるか。
それには実際にモデルガン版の留ブラをバラし、必要に応じて切り刻み、それをソフビの原型に応用するしかないということになり、川崎市にある徳信尊さんの工房 "徳弘工房" を訪ね、留ブラ・チビの打ち合わせをしたのでした。
参加者はmirock-toyの金子洋平くんと余所者worksと留之助。
徳さんのおかげで光明が見えてきました。
おそらく完成までに1年はかかるソフビ版・留ブラ・チビですが、あの可愛い握り心地を1日も早く味わいたくて、サイズ以外省略皆無の、これまたひと味ちがうレジン版・留ブラ・チビも造ることに決めたのでした。
これなら年内に完成しそう。
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by tomenosuke_2006 | 2022-05-17 23:17 | 留之助ブラスター
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