不気味綺麗なハゲタカ、2羽、飛来の予定です
COMING SOON: Vultura Macabra Faded by Camille Rose Garcia

バルチュラ・マカブラ・フェイデッドっていう呪文のような名前のハゲタカ・フィギュア(下)を見たとき、即座にディズニー初の長篇アニメで世界初のカラー作品『白雪姫』(1937年)を連想したのでした。
確かにフィギュアの抑えて鮮やかな色遣いが、古い時代の総天然色映画のように美しいというのもありますが、それより少年のころ、映画の印象的なシーンにたびたび鳥が登場するのを見て、とりわけ謎に満ちた2羽のハゲタカの存在が気になり、物語と鳥との関連性について空想をめぐらせたことを思い出したのです。
で、探り出した答えが、後日、高明な映画評論家の先生の解説と同じだったのを知り、ちょっと得意な気分になったのでした。
とりわけハゲタカの解釈が同じだったのはうれしかった。
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というわけで『白雪姫』の鳥について若干補足。
まず最初は、はじめて白雪姫が王子と出会うシーンの白い鳩たち。
白い鳩は "平和の象徴" とか "愛の象徴" といわれていますが、つまり白い鳩を登場させて白雪姫と王子の間に "愛" が芽生えたことをイメージしていたのです、と、これは分かりやすい。
次に、女王に命を狙われていることを知り、不安や恐怖を抱え森に逃げ込み泣き崩れる白雪姫に、青い鳥が舞い降ります。
メーテリンクの童話で描かれたように、青い鳥は "幸福" や "希望" を表します。
慣れ親しんだ城を離れ、心細い森の生活をはじめた白雪姫でしたが、希望を忘れず健やかに過ごせば明るい未来が訪れることを青い鳥が暗示していたのでした、と、これも分かりやすい。
いずれも白雪姫に幸福をもたらす鳥でしたが、興味が尽きないのが不気味なハゲタカです。
白雪姫に近づくため醜い老婆に変身した女王が小人たちの家を後にしたころから、彼女のことをじっと見つめていた謎の存在。
ハゲタカとは腐肉を漁る猛禽類であり、"死" を意味する鳥ともいわれています。
映画では女王が小人たちに追い詰められ険しい岩場から転落するわけですが、そのシーンの後にハゲタカのカットがインサートされて女王が成仏したことを匂わせるのです。
あの2羽のハゲタカは敵でも味方でもなく、死を予知する力を持ち、邪悪な女王の最期を見届けようと待っていたのでした。
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そんなお伽噺の不吉なハゲタカにインスピレーションをうけたと語るのが、ハゲタカ・フィギュアの生みの親にして画家のカミーユ・ローズ・ガルシア(上)なのでした。
古き良き時代のアニメと少女趣味とグロテスクな雰囲気が入り混じった、じめっと湿度が高そうな極彩色の作風で知られるLAベースのアーティストさんです。
頭蓋骨の上に日傘をさして佇むバルチュラ・マカブラ・フェイデッドは、高さ355ミリの堂々たるサイズ。
留之助にはDCon2021の限定ブルー・カラー版と最新色のイエロー・カラー版が届きます。
それにしてもカミーユのハゲタカをフィギュアに起こした3DRetroのやる気には、頭が下がるいっぽうです。
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by tomenosuke_2006 | 2022-05-19 01:06 | 3DRetro 新製品情報
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