オクの留ブラ・クロム
Tomenosuke Blaster Chrome was on the auction

教えてもらった時にはオークションは終了してました。
落札価格は当店販売価格55万円を下回る48万円。
2020年10月に4梃のみ発売した留ブラ・クロムのことです。
オクの留ブラ・クロム_a0077842_21242445.jpg
上の画像は無断でヤフオクの出品画像を転載させてもらいましたが、どうか大目に見てやってください。
とても懐かしくて、つい。
出品者の方は「諸般の事情によりコレクションの維持が困難になったことから泣く泣く出品いたします。今回、出品に当たり撮影を行うまでtomenosuke store から届いたままの状態で暗所にて保管していたため、新品同様の品です」とおっしゃっています。
それを知って、ますます悔やまれました。
もう2度と造れないだろうオール・クローム・メッキの留ブラ、できれば買い戻したかった。
じつは販売用に4挺準備し、値段が値段だけに完売するとは思ってもおらず、売れ残ったら1挺は留之助のコレクションにしようと思っていました。
それが予想を裏切り、発売するや60秒もたたないうちに完売してしまったのです。
で、どうしても留ブラ・クロムを手元に置いておきたくなり徳信尊さんに新たに1挺、下処理してもらってそれを工場に持ち込むと、これ以上は対応しかねると断られたのです。
明らかに当方の要望が細か過ぎ、何度もやり直しをお願いしたことも敬遠される理由のひとつでしたが、いちばんは亜鉛ダイキャストへの硬質ニッケル・クロム・メッキほど難しい仕事はなく、それを請け負う職人さんや工場が、とりわけここ東海地方では皆無になってしまったというのです。
工場の担当者によると、同業者が直面したある事件がきっかけになっていると聞かされました。
なんでも超貴重なクラシックカーの亜鉛ダイキャスト製外装部品のメッキを頼まれた工場が、仕上がりがよくないという理由で途方もない金額の賠償を求められたのだとか。
そのことが瞬く間に業界に知れ渡り、誰もリスクの高い仕事には手を出さなくなってしまったのです。
今更ですが、留ブラの製品代金に、徳さんの完璧な下処理と組立工賃、クロム・メッキと蒸着メッキ代を加算すると、55万円はけっして高くはなかったのですが、一般の常識からしたら法外な値段のような気もする。
そこで付加価値をつけようと木箱やホルスターまで用意したら完全な赤字、いつもの道楽でしかないプロジェクトになってしまったのでした。
いま、発売当時の画像を眺めています。
自画自賛したくなるくらい、いい仕事ができたと思っています。
そんな気持ちだけが慰めと心の拠り所です。
どうか、留ブラ・クロムをお持ちの方は、末長くご愛玩くださいませ。
留之助は留ブラ・クロム用に準備した下処理済み留ブラを、蒸着メッキでお世話になっているシブヤメッキさんに預け、亜鉛ダイキャスト部品を硬質ニッケル・クロム・メッキ加工してくれる同業者さんを探してもらっているのですが、まだ見つかっていません。
オクの留ブラ・クロム_a0077842_22510813.jpg
オクの留ブラ・クロム_a0077842_22511102.jpg
オクの留ブラ・クロム_a0077842_22511437.jpg

by tomenosuke_2006 | 2022-06-10 08:05 | 留之助ブラスター
<< 海の向こうのToy Con UKでは シン徳さんSP、6月14日発売 >>