留ブラはどこへ行くのか
Where is the mold of Tomenosuke Blaster going

アメリカ向け留ブラのOEM版(正式名称は "BRADE RUNNER 2049 DECKARD'S BLASTER")1,000挺の組み立ても山を越え、検品の後、近く箱詰め作業が始まります。
留之助が用意したテンプレートを使ってアメリカ側でデザイン、日本で作った箔押しロゴのパッケージに、従来の取説のテンプレートとデータ使ってアメリカ側が再編集し、日本で印刷した取説がいっしょに収まります。
また、先方から「LPレコードのような日本語の帯をパッケージにかけてほしい」とリクエストがあり、当方でデザインした帯も1枚ずつ糊付けします。
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▲ アメリカから送られてきた「帯」の参考画像

アメリカの販売予定価格は1,000ドル、現在の為替レートで15万円ぐらい。
日本販売分(数量未定)はそのまま輸出しないで留め置き、日本円に換算したアメリカの価格でハリコレさんが販売の予定です。
そこまでは無問題なのですが。
業界を定年退職されたベテラン・モデルガン職人さんにお願いして留ブラ専門の工作チームを結成し、2016年製造の "留ブラ2049" を皮切りに、"2049ライセンス・エディション"(2017年)、"2019"(2019年)、"OG"(2020年)、"2019リテイラー・エディション"(2021年)と造り続けてきたのですが、度々当ブログでお話ししてきたように、工作チームを支えていただいていたベテラン・モデルガン職人さんが今年いっぱいで完全リタイアされるのです。
つまり工作チームを解散せざるを得なくなり、今後の増産の目処が立たなくなるのです。
いっぽうOEM版のライセンス期間は3年に及ぶと聞いています。
つまり、3年先にまだ留ブラの需要があるとして、運よくどこか物好きなモデルガン・メーカーさんに製造を請け負ってもらえるとしても、おそらくコストの面で折り合いがつかないのではと思っています。
留之助がマルシン工業さんを離れ、工作チームを結成した大きな理由が、"留ブラ2049" の製造をスタートさせようとした矢先に、マルシン工業さんから製造費を1.5倍値上げすると通告されたからでした。
そもそもこれまでが安すぎたわけで、業界水準はもっと高いのだと教えられました。
というわけで究極の問題が持ち上がるわけです。
かつて家を抵当に入れ、さらにハリコレさんに半分資金を出してもらって造った金型を、この先どうすべきか。
保管にも、メンテナンスにさえ費用がかかります。
減価償却はとっくに済んでいることだし、このままスクラップにするのが後腐れないのかもしれない。
そんなことを考えながら、かつて留ブラPROの量産が始まったばかりの2010年に、マルシン工業さんの工場で心躍らせながら撮った金型の画像などを見返して、しばし感慨に耽る留之助なのでした。
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▲ マルシン工業さんの工場に積み上げられた留ブラの金型

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▲ 金型から抜かれた直後のレシーバー・パーツ第1号

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▲ 金型から抜かれた直後のアルミ製パーツ第1号

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▲ パレットに積んだ金型

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▲ 留ブラ専門工作チームの新工場へ金型を移送


by tomenosuke_2006 | 2022-10-19 23:48 | 留之助ブラスター
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