ナポソロ・オワコン宣言
I declare that "The Man From U.N.C.L.E." is a thing of the past

そもそも "ナポソロ" という言葉を、どれだけの人が知っているのだろう。
それは1960年代に日本テレビ系列(東海地方では開局まもない中京テレビ)で放送された『0011ナポレオン・ソロ』のことであり、中学生だった留之助はもちろん、幅広い世代の人たちが口にした最高にスタイリッシュなスパイ・アクション・ドラマの愛称でした。
そんなドラマでヒーローが愛用したのが、銃身を短くトリミングしたワルサーP38にマズルブレーキを挿したアンクルガンや、数種類のアタッチメントを取り付けて重装備の狙撃銃へと組み替わるアンクルカービンで、それらはまとめてアンクルタイプと呼ばれていました。
ナポソロ・オワコン宣言_a0077842_00190314.jpg
アンクルタイプはナポソロの象徴でした。
たとえば規制前の黒くて風通しのいいモデルガン全盛の時代、MGCや中田商店がこぞってアンクルタイプを商品化し、ナポソロ・ファンの熱い視線を集めました。
小学館から出ていた中高生男子向け月刊誌『ボーイズライフ』(1963年〜1969年)に掲載された広告写真を見ながら、留之助少年はどちらのアンクルタイプがより本物に近いかといった考察を楽しんだものです。
すべては60年前の思い出です。
しかし月日が経つと思い入れの強かった人たちでさえ少年時代の憧れをどこかに置き忘れ、老いて、あるいはこの世を去り、かつてアンクルタイプの高精度なレプリカ造りを恊働した仲間たちも、留之助の周りからいなくなってしまったのでした。
2009年に7セット造り、6セット販売した "アンクルタイプ留之助ver. 6" が、その最後の作品になりました。
ナポソロ・オワコン宣言_a0077842_00190776.jpg
先日発売の "留之助ver. 究極版" は、唯一残しておいた "留之助ver. 6" を使い、ミックスメディアによるアンクルタイプ本来の質感を、先進の塗装技術でリアルに再現することを目指した、ことオモチャに関してはピーターパン症候群から抜けきれていない留之助の、懐古趣味が暴走した悪あがきのようなヒトシナなのでした。
仮に共感してくれる同世代人がいたとしても、普通なら終活の最中であり、いまさらモノなど増やしたくはないはず。
もとよりナポソロを知らない今の人たちに、古臭くてバカ高い留之助のアンクルタイプが受け入れられるとは思っていませんでした。
予想的中。
なので "留之助ver. 究極版" の販売はこれにて終了です。
ナポソロ・オワコン宣言_a0077842_00191192.jpg
留之助ウェブストアでは SOLD OUT になっていますが、けっして売れたというわけではないことをお伝えしておきます。
咲いても実を結ばずに散ってしまう花のことを徒花(あだばな)といいますが、アトリエセブンさんにお願いして理想の姿に仕上げてもらいながら買い手が現れなかった "留之助ver. 究極版" は、さしずめ徒花の極みではないかと思うのでした。
「徒花」というふた文字、AI辞書に喋らせたら女性の声で「ムダバナ」と言われカチンときたあと、そんな読み方もあったんだと合点がいきました。
というわけでここ数日間は決算の棚卸しで忙しく、それが一段落したら、また新しい遊びを考えます。
ナポソロ・オワコン宣言_a0077842_00191687.jpg
Photos by Akito Hirasawa

by tomenosuke_2006 | 2026-05-25 23:15 | 留之助プロップレプリカ
<< アマンダ・ヴィッセルのプラスタ... 先日の倉庫で撮影した二大彫刻家... >>