7月25日、午後1時半、何故。
なぜ、オシッコがいっぱい出るようになったというのに、アルブミンの数値はいぜん低いままなのか。 なぜ、話題のMacBookではなくて、いまさらiBook G4/12inchの最終モデルなのか。 前者について考えてみたって、シロウトの私にそのワケが分かるはずもなく、それよりはiBookを買うまでの不可解な気持ちの流れを振り返ってみた方が、まだ面白い。 小田先生に会うまで・・・夕刻、死刑宣告を受けるまでのあいだ、iBook G4に逃げ込むのも悪くはない。 そもそもiBook G4を買おうと思ったのは、会社の女の子が書類作りに使っている最初期の、いわゆるシェル型のiBookを買い替えてやりたかったから。 程度のいい中古をヤフオクで落札し、OS9から解放し、ワイヤレスでネットにも接続して、私とのファイル交換も可能になれば、仕事もはかどる。 動機はいたって健全、社員思いの社長だった。 オークション >コンピュータ>パーソナルコンピュータ>Macintosh>ノートブック>iBook>G4 絞り込んでいくと、iBook G4とその関連商品だけでおよそ70点が出品され、開始価格が低めに設定された完動品には、かならず入札者がいる。 じつに活気のあるカテゴリなのだと知った。 ヤフオクで長く遊ぶと、入札者や様子をうかがうギャラリーたちの熱気を出品ページに感じとれるようになる。 とりわけ人気の出品物は、ときには陳腐な画像にもかかわらず、人々の注目を浴びて魅力を増し、実際以上に価値あるもの、掘り出し物の様相さえ呈してくるのだ。 いろんな仕様のiBook G4が一堂に会するこのオークション会場は、まさしく宝の山のように見えた。 が、しかし私のような落札回数だけで1000を超えるヤフオクシニアになると、嗅覚は別のものを探り当てる。 他の入札者が敬遠するあぶない出品物、けれど値打ちなものを嗅ぎ分けて、がぜん欲しくなってしまうのだ。(つまりビョーキ) で、前述の在日アメリカ人が出品したiBook G4/12inchの最終モデルに行き着いたというわけ。 問題は、いつの間にか会社の女の子のことは忘れ、自分用に欲しくなっていたことだった。 最終モデルは、もちろん彼女には過ぎたマシンである。 いまではアップルのラインナップにはない最小型の12inchノートブックの、しかもハイエンド・モデルだ。 ここで押えておかないと、悔いを残すことになるではないか。(分かってるって、ビョーキだってこと) 物欲に仁義はない! というわけで、iBookの“なぜ”はムリムリ解明されたのだったが、アルブミンの“なぜ”は、いまだ闇の中にあった。 午後3時半、宣告。 その瞬間は、何の前触れもなくおとずれた。 私の部屋を軽くノックする音が聞こえたかと思うと、ドアが開き、スーッと小田先生が、新之介先生を伴ってあらわれた。 覚悟していたものとは微妙に異なる空気が部屋を満たす。 小田先生は物静かな研究家タイプの医師だが、いまはぱっちり大きな目がチャームポイントの人のよさそうな中年紳士に見えた。 新之介先生はというと、腎生検の結果を伝えに来たときの頼りなげな顔つきとは裏腹の、自信に満ちて明るい、もはや笑みさえこぼれそうな面持ちで、小田先生の後ろに控えた。 なんと尿検査の結果、タンパクが1.94gに大幅減少したのがわかったのだ。 パルス療法が本当に効いたのである。 アルブミンと尿タンパクの数値は、かならずしも時を同じくして反比例するものではないらしい。 肝心なのは、まずタンパクが尿に混じって漏れ出すのが改善されること。 そうすれば自ずとアルブミンが増えてくる。 膜性腎症についての詳しい説明があり、寛快(かんかい=完全に治る)する人もいると教えられた。 ごく稀に膜性腎症が胃癌、大腸癌、前立腺癌に起因することもあるらしく、念のために検便と血液検査を明日受けることに。 そして話題は、退院と、退院後の生活におよぶ。 そう、来週からの話しを、私は聞いていた。 ふっと、窓辺に陽が差したような気がした。 たったいま、きょうが晴天だと気がついた。 ふたりの頼もしい医師が部屋をあとにして、数分後、新之介先生だけが舞い戻って来た。 本当によかったですね! ひとことそういい残し、出て行った、颯爽と。 きっと彼は名医になると、私は思った。 夕食まえのひととき。 じっとしていられないというのは、こういうことをいうのだろう。 できれば外に駆け出し、芝生を見つけて大の字になり、思いっきり夏空を仰いでいたい。 が、そうもいかないから、詰め所のまえまでぼちぼち歩き、体重計にのる。 おっ、水は完全に抜けたな。 私をみつけて、詰め所の中から看護師さんがひとり、飛び出してきた。 ベテランの中島美子ちゃんが、かわいい声で、よかったね、と。 ついこのまえ、代わり映えしない検査の結果をすまなさそうに伝えにきてくれた人だ。 部屋に戻る廊下で、今度は大きなお腹の看護師さんとすれ違った。 若手の横井里佳ちゃんが、一時はどうなるかと思ったけれど、よかったですね、と。 今週末から産休に入る彼女には、きっと同じころに退院できますよと励まされてきた。 男子トイレで誰かの尿瓶を取りに来た看護師の服部樹文(しげふみ)君に会った。 彼もまた、よかったですね、と。 入院して最初に採血してくれた人で、趣味は食玩を集めること。 あれからずっと、いまも、コンプリートするための最後のひとつを探し続けている。 東5Fの廊下は、祝福の花道? ひとり晩ご飯で、お祝いだ。 午後10時、就寝。
by tomenosuke_2006
| 2006-07-26 22:16
| ネフローゼ症候群
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