レディ・キロワット
留之助商店のショーウィンドーの中で1日中、けなげに発光しているネオンサイン、レディ・キロワット君について、電話やメールでお問い合わせいただきました。
「ありゃ、なんだ?」っていうのから、「おいくら?」まで、いろいろ数件。
この場を借りてお答えします。
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日本ではジッポーライター・ファンのあいだでけっこうポピュラーなのが、このレディ・キロワット。
彼の顔をプリントしたライターなどが、レディキロなどと呼ばれたりしているみたいです。
レディとは女性のLADYではなくて、赤みがかったという意味のREDDY。
生まれは1925年。
アラバマ電力会社に勤めるアシュトン・B・コリンズ氏が仕事帰りに物凄い落雷を目撃、まるでその光が人の手足のように見えたところからレディ・キロワットを発想しました。
イナズマのからだに、ゴムの手袋とブーツ、電球の鼻と電気コンセントの耳。
翌年の1926年にフィラデルフィア電力が最初のライセンス契約会社となり、数年のうちには全米の200社をこえる電気施設会社がそれに加わり、愛嬌たっぷりのレディ・キロワットを看板やノベルティなどにあしらい、電気の普及につとめました。
そう、1920年代のこのころというのは、アメリカの一般家庭に直流電気のコンセントが普及し始めた時期で、ラジオやさまざまな電化製品の第一次ブーム。
レディ・キロワットといえば、モダンな電化生活を象徴するアメリカの代表的キャラクターだったのです。
1930年代にはコミックヒーローとなり、1940年代にはReddy-Made Magicという電気の歴史をたどる映画で主役をつとめ、1950年代にはその続編ともいうべきMighty Atomが作られました(何でも知りたい店主ですが、この種の映画を観る機会にはまだめぐり合ってません)。
余談ですが、1950年代には革命政権のカストロ首相によって、レディ・キロワットのキューバでの使用が禁止されたことがあったとか。
あまりにも敵国アメリカ的だという理由だったそうです。
で、当店のレディ・キロワット君は1940〜50年代製。
お客さんが訪れる電力会社のオフィスやショールーム用に手作りされたものです。
高さはちょうど大人の身長ぐらいで、表面はホウロウ仕上げ。
メタルワークも素晴らしく、むかしはアメリカにもこんなに細かい職人仕事をこなす人がいたんだなと感心してしまいます。
お値段の方は3,150,000円、消費税込み、配送料別となっております。
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店主大好きのゲーリー・ベースマンがレディ・キロワットを引用(右上)した作品を発表しています。
好みがどこか共通しているようで、うれしいような。
原画は高すぎて、機会もなくて、いまのところ手に入ってませんが、2年前に出た50部限定のポスターはしっかり確保してます。
いずれお店に出す予定です。
by tomenosuke_2006 | 2006-10-03 11:18 | ムカシモチャ
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