ムカシモチャのカテゴリ(7/24の記事)で紹介した0011ナポレオン・ソロの傑作変身銃P38アンクルタイプの写真を見た方から、MGCと中田商店製の鉄モノ売ってくださいと電話がありました。
残念ながら売買はご法度です。 銃刀法違反で、売る方も買う方も、お縄になってしまいます。 詳しくは知りませんが、所持する場合も分解した状態でないといけないとかいいます。 といって、リアルなアンクルタイプが欲しい人にはアメリカのアイディアル製ムカシモチャ(7/24の写真参照)では満足できないでしょうし、当店の値段を聞いたら大いに戸惑われるに違いありません。 そういう人にちょっとだけ朗報。 アンクルタイプに魅せられ、現代に蘇らせようとしているツワ者が東京都墨田区にひとり、アメリカ・テキサスにもひとり、いるのです。 さいわい留之助商店はご両者とも懇意にさせていただいておりまして、精巧に再現されたアンクルタイプの再販許可も、一応はもらいました。 一応というのは当店のほとんどの品物と同じく、次から次に補充できるお手軽な商品ではないということ。 再販許可はあっても、在庫がないような、あるような。 そこらへんのところを、東西ふたりのツワ者をご紹介がてら現況報告したいと思います。 日本にはほかにもバクレツパイナップルという優秀なカスタムガン屋さんがアンクルタイプのハンドガンまわりだけを製造販売してましたが、いつの間にかやめちゃいました。 睨みのきいた直線的で堂々としたデザインのグリップが特徴的で、店主、大いに気に入ってます。 一方、'70〜'80年代の自動車パーツの製造販売が本業のロジックさんは、4年前の2002年からアンクルタイプの試作をスタート、MGCのモデルガンをベースにした無可動銃やマルシン製P38モデルガン用のパーツなどを、一部のファン向けに手作りしてきました。 今年2月、ついに究極ともいうべきマルゼン製P38エアガン・ベースのアンクルカービンを完成させ、受注生産に入りましたが、その2カ月後、予約注文を一時打ち切り、現在にいたってます。 ロジック版アンクルタイプはアルミニウムとプラキャストを組み合わせた、じつに見事な作りです。 実物との相違点は、主にグリップに見受けられます。 グリップが規制前のモデルガンやバクレツ製品と同じく、左右に分割するタイプであること。 実際は一体成型、通称フラットグリップと呼ばれ、樹脂製とアルミニウムの2種類がありました。 ロジックさんのグリップはエッジがわずかに削り落とされ、丸みを帯び、実物以上に握りやすい感じがします。 店主くらいの平均的日本人の手にぴったりです。 また右側のグリップにはスコープマウント取付け用のネジ穴(規制前のモデルガンにもあった)が用意されていますが、実銃にはありません。 グリップに施されたくさび形のレールにスコープマウントを挿入し、マウントのネジをグリップ表面に直接締めつけ、テコの応用で固定するという相当に荒っぽい方法が実銃ではとられていました。 ロジックさんはグリップを痛めかねないリスクを避け、あえてネジ穴式にしたようです。 あと、目立つ違いはストックのチークパッド部分のすべり止め加工が省略されている点でしょうか。 短く切ったバレルの先に取付けるハンドガン用マズルブレーキ、別名バードケージといわれているパーツは、2種類用意されています。 すみません、写真ではその区別がつきませんが、先端部分が開放型と小径型の2種類をきっかり作るところが凝り屋のロジックさんらしい。 現在はこのアンクルカービン用の最後のパーツのロングマガジンを試作中で、ベースのマルゼン製P38のエアガン機能を損なわない精巧な作りになりそう、とても楽しみです。 店主の分、全部で4本、お願いしますね。 そのうち1セット、いずれお店に飾って、再販させていただくかもしれません。 上は本邦初公開の本物のアンクル・ハンドガンの写真です。この夏、LAで密かに開かれたアンクルタイプ・マニア(オッサンとジィ様のみ)の集いで撮影されました。上がP38ベースのアルミニウム製フラットグリップ着き、下がモーゼルM1914ベースの初期型。不法所持で叱られるの分かってるけど、でも欲しい! 主催者はブラッド・ファーガソンといいまして、店主と同い年の53才、本業は宝石商です。 少年時代からずっとナポソロを追いつづけ、他の男子と同じくアンクルタイプに魅せられて、ありとあらゆる関連トイガンを集めてきましたが、ついに満たされることはなく(コレクターに終着駅はございません)、気がつけば中年オヤジになってました。 10年前、当然のことですが実銃求めて行動開始。 我が物にできなかったパーツは所有者から借りて型をとったり、採寸し、はじめは自分だけのためにレプリカを作っていましたが、去年ごろからパーツの一部と精巧なアンクルタイプ用ホルスターを復刻、ネット販売しはじめました。 店主、そのころから仲よくさせてもらってます。 アメリカと日本の違いはあっても、似たような嗜好の少年時代を過ごしたこともあり意気投合、ブラッドさんからアンクルの日本支部長を仰せつかりもしました。 なので、現在考えられる最高水準のP38トイガン、つまりワルサー社とライセンス契約しているマルゼンのエアガンを使ったアンクルカービンの製作を提案、快諾してもらいました。 が、ここがブラッドさんと、アルマイト塗装以外ぜんぶ自分で手作りしているロジックさんとの違い。 メタルパーツを外注に出しているため、半年以上たってもパーツがそろわず、アンクルカービンがなかなか完成しないのです。 フルセットをふたつ注文しているのですが、いまのところ届いたのはフラットグリップ、ショートバレル、サイレンサーの各2点のみ。 マズルブレーキは注文どおり2点送るけれど、あとのカービン用パーツは1セットだけにしてくれと言ってきました。 いろいろ事情があるんでしょう、やむを得ません。 それよりもブラッドさんは外観の精巧さを第一優先し、ガスによるブローバックアクションにはそれほど重きを置いてません。 実際、フラットグリップやバレルに手を加えないと、動きそうにないのです。 ここらあたりは国民性の違い? とにかく日本で唯一のプロップレプリカと呼ぶにふさわしい、本物と寸分たがわぬブラッド版アンクルカービンがお店にならぶ日は、いったいいつのことになるんでしょう。 ブラッドさんから届いた、ただいま鋭意製作中のメールに添えられていた写真です。左はマズルブレーキ、右はエクステンションバレルにサイレンサーを取付けた塗装前のアルミパーツ。 最後にもう1点、例のLAで開かれたアンクルタイプ・マニアの集いから。先にお見せした実銃の写真といっしょに、じつはブラッドさんが送ってくれました。P38アンクルカービンはマルゼンのエアガンがベースになってます。早くイジりてぇ。
by tomenosuke_2006
| 2006-10-15 18:18
| プロップ
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