日本ではまだまだ知名度の低いキッドロボット製品(たとえばダニーやアイスボット)だが、中でもキッドロボットというブランド名をそのまま商品名にしたキッドロボット・シリーズをせっせと集めている人を、店主、はっきりいってひとりも知らない。
ややこしいから当店では今後ブランド名はキッドロボットのまま、このフィギュア・シリーズをキッドロボット君と呼ぶことにする。 で、キッドロボット君について書くまえに、まずキッドロボットそのものの生い立ちをおさらいしておきたい。 まえにも少し触れたと思うが、キッドロボットを立ち上げたのは核物理学者を父に持つ元データシステム・プログラマーにしてアーティストのポール・バドニッツで、2002年初めのこと。 同年10月にSF店、2003年9月にNY店、2004年11月にLA店を開店し、現在はNYを拠点に世界中のすべての世代の人が楽しめるオモチャ作りを目標に掲げて、アメリカはもとよりヨーロッパ、日本、香港などのアーティストがデザインした限定版トイを製造販売している。 オモチャというサブカルチャーの申し子に「安く手に入るファイン・アート」としての付加価値を与え、アートとコマーシャルの結婚を慎重に守り続けているのがパドニッツでありキッドロボットなのである。(オブジェモチャ専門店の留之助商店も、そんな感じです) そのバドニッツともうひとりのアーティスト、トリスタン・イートンによって、ダニーよりも少し前に生み出されたのがキッドロボット君だった。ウルトラマン風の頭にパックマン目玉の大きな顔が安定感あるA型体形にのるというのが基本設計で、高さ8.5インチ(約21.5センチ)。 アクションフィギュアのように様々なポーズをとらせて遊ぶのではなく「飾る」ことを意図しているため、可動部分は首と腕と手の付け根の合計5ヵ所と少ない(が、ダニーの3ヵ所よりは多い)。 ダニーと異なる点は付属のアクセサリーで変装させられるもの(シリーズ05、06、06.5、08)がいくつかあることだろう。 すでにシリーズ11を数え、2005年の夏までは01から07が順番に発売されたが、その後、06のバリアント06.5(上のナイフを持ったヤツ)が出たり、最新の10(ホアック・ジーによるウェスタンもの3体)のまえ、今年のバレンタインデーに11が出たりと、不可解なリリースのされ方だ。 いまだに09が出ないことを含め、店主、そのあたりの理由など未確認のままで、勉強不足を恥じるばかりである。 これまでにバリアントを含め全部で21点リリースされたキッドロボット君は、さらにいくつかに分類される。 Kidrobber(キッドロバー=チビ強盗)の01、02、03、04、06、06.5。 Kidbomber(キッドボンバー=チビ爆弾犯)の05。 見た目はともかく、呼び名は物騒である。 El Robo Loco(エルロボロコ=メキシカンレスラー)の07、08の別名はテング、11の2点はラブとヘイト、例のウェスタン3点はKidrifter(キッドリフター=チビの仲たがい)と呼ばれている。 シリーズ04まで限定100個で発売され、05、06が300個限定、新作が発売されるたびに数が増えたとはいえ、10のウェスタンものでも各800個しか作られていない。 バービーのファッションモデル・シリーズ(店主、これも大好き)のゴールドラベルが25,000個限定だと考えると、相当少ないナンバーといえるだろう。 また、数あるキッドロボット君の中でもレア度が際立っているのが05の新宿バージョン(いちばん上の写真)である。 2005年の春だったか、キッドロボットとヴィジョネアがコラボで出したフィギュアを日本では新宿伊勢丹だけが直売したのだが、その際、何の予告もなく付け足しのように売られた。 その売り場、1F解放区には制服姿の社員さんたちが10人くらいいたかと思うが、どなたもそのイワレ、限定数など、答えられなかった。 だから新宿バージョンだけ、いくつ作られたかが分からない。 上の写真は、左から記念すべき01のキッドロバー、07のエルロボロコ3種の内の紫バージョンで2005年のSDCC限定版、右が08のテング3種の内のオレンジ、以上。
by tomenosuke_2006
| 2006-11-12 18:03
| kidrobot 新製品情報
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