いまごろ、DOT DOT DASH。
正確にはどっちが先に出版されたんだろうね、キッドロボットから去年出た『デザイナートイの爆発』っていうサブタイトルが付いたI AM PLASTICと、いまいちばんあなどれないアート系出版社ゲシュタルテンのDOT DOT DASH、こっちには『デザイナートイとアクションフィギュア、そしてキャラクターアート』のサブタイトルが付く。
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分厚さ重さ、アイ・アム・プラスチック並


どっちが先だろうっていったのは、ここで紹介したあと入荷新着情報に上げるつもりのこの本、ドット・ドット・ダッシュは、じつは発売されてずいぶんになるから。
去年の暮れだったか、今年はじめだったか、アメリカのディーラーさんにオーダー入れたというのになかなか届かなくって、そのうちに忘れちゃって(年のせい?)、春ごろ思い出して催促入れたら、初版が売り切れたから第2刷りが上がるのを待てだって。
待ちましたよ、Amazonやよそのお店で売られてるの横目で見ながら。
で、この度、やっと届いたドット・ドット・ダッシュはというと、ハードカバーの白い表紙といい、分厚さ重さといい、アイ・アム・プラスチックとよく似てる。
ドットは紙が厚手で約300ページ、アイムは約360ページ、ページ数では負けてるけれど中味は数段上をいってるね。
留之助でアイムを買った人にはすみませんが、こっちも買わないと手落ちってもんです。
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整理整頓された見やすいエディトリアルデザイン


かのアイムはキッドロボット歴代取り扱い商品総目録っていう感じの内容で、調べものには不向き、編集姿勢もきわめて情緒的だった。
ま、いまの店主風っていうのかな、「面白ければいいじゃん」的な作り、とてもお気楽。
一方、ドットはというと偏執的かつシステマチックな内容で、資料的価値、応用度、ともに大、一種のエンサイクロペディアだね。
それぞれのサブタイトルが本の性格を表してるといえそう、“爆発”でひとくくりにしたアイムに対して、じつに具体的かつ説明的なドット。
じゃ、堅苦しくて付き合いにくいかといえば、題材が題材だもの、なわけがない。
カタログ風商品写真の大小で構成されたアイムより、むしろオブジェモチャと戯れるシーン、手の込んだロケなど、写真そのものがけっこう遊んでて、アートしていて二重丸なんだよ、早く取り寄せたかったわ。
編集に投じられた並々ならぬエネルギーには敬服させられるのである。
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これ、けっこうスリリングな撮影
このあとこのトイ、タクシーに轢かれました・・・ウソ


どんな人たちが編集したんだろうって思いながら奥付を見ると、そこにJunko Hanzawaの名前。
今年4月に同じゲシュタルテン出版のWe Love Magazinesについて書いた記事を、たまたま見つけてメールくださった日本支部の彼女じゃないですか、ご無沙汰してます(なんて突然メール口調になってます)。
店主は思うわけですよ、ゲシュタルテンのいろんな素敵で面白い本、ウチのこんなに素敵で面白いオブジェモチャ同様、飛ぶようには売れないんだろーなって。
いえいえ、飛ぶように売れないところがいいわけで、だって、たくさん売れたりしたら、それだけ大多数が認めるってことでしょ、つまりフツーってことじゃないですか。
ネコも杓子もいいなんてものに興味はないよ、そんなのには関わりたくもなければ売りたくもない、これ本音、留之助のショップポリシーみたいなものなんです。
売れないのも辛いけど、売れすぎてもなぜかさびしいオブジェモチャ。
矛盾を背負い、資本主義経済の狭間でモミクチャにされながら、ともにがんばるっきゃないですよね、 Junkoさん。



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by tomenosuke_2006 | 2007-07-14 19:14 | 書店入荷新着情報
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