公害アートの旗手、スコォク。
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来月発売の3インチ・ダニー・フレンチ・シリーズの参加アーティストにSkwakの名前を見つけたら、彼のことセールスしたくなった。
絵のテーマは“公害”、じつにカラフルだけど、隅から隅までヘドロや突然変異した生き物でごった返し、中には“人”らしきモノも。
人らしきモノの特徴は皮膚が溶けていまにも流れ落ちそうな眼球と、頭蓋骨の鼻孔そのままのペッタンコな鼻でしょうか、1977年の『溶解人間』を思い出す。
土星探索へ出かけた宇宙飛行士が全身ドロドロ溶け出す奇病に冒されて帰還、ゾンビのように人を食い殺すっていう、アレです。
SFXメイクは駆け出し時代のリック・ベイカー、いい仕事してました。
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とくに青春の思い出に残るのは、こんなとこで魚釣はないだろうっていう水の濁ったショボイ小川の岸辺で、釣り人のオヤジが襲われるクダリ。
もぎ取られたオヤジの頭がプカプカ小川を流れ、滝というにはお粗末な3メートルぐらいの高さからズリ落ちて、こんなに人間の頭ってヤワだったっけ、グシャリと潰れる様をちゃんと見せる。
スコォクの公害アートのB級映画版な感じなのです。
その『溶解人間』にテーマを見出すのは難しいけれど、スコォクはちがう。
たとえばマニアッ君(左下)は環境破壊に警鐘を鳴らすヘドラの如き生き物だし、テレビヘッド(右下)は自ら傷んだ顔を晒しものにして、お茶の間のみなさんに自然の大切さを呼びかける。
じゃ、今度の3インチ・ダニーはというと、オブジェモチャなんかで遊んでばかりいるノーテンキなそこの君、このままだとあんたも溶け出すぞ、っと訴えているのだ。
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ちなみにマニアッ君テレビヘッドは在庫僅少・鋭意発売中。
地球の未来のために、あるいは懺悔のお供に、おひとつどうぞ。
海外ではスコォクの絵がみっちりプリントされたTシャツがヒット中だけれど、果たしてこのカラフルなTに秘められた憂いを知る人は以外に少ないのだった。
こちらはBEAUTIFUL/DECAYで発売中。
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by tomenosuke_2006 | 2008-01-13 13:51
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