SDCC 2008限定モチャ、買付け情報-8。
6月中旬にキッドロボットが発表した7月発売の新製品一覧で、SDCC 2008限定のマスクド・カリンバーのアド(下)を見てもあまりピンとこなかった。
フィギュアの全体像は見えないし、さらに作者のポール・ポープという名に聞き覚えもなく、同じSDCC限定の発売当日まで一切秘密だというジョーレッド作品の方が気になってしかたなかった。
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それから数日後、たまに個人的に利用するアメリカのSTATUE TOYSからDC Drectのスタチューが20%OFFになるというメールマガジンが届き、軽〜くサイトを覗いてみるとヤバイのをひとつ見つけた。
1939年生まれのコミックヒーロー、バットマンの2度目の実写版連続活劇映画『Batman and Robin 』(1949年)へのオマージュともとれるモノクロ彫像。
やたら大きな胸のバットマーク(1943年の最初の映画『Batman』のマークは小さい)もさることながら、タイツの縫い目やギャザーやほころびまでも再現して、他のどのバットマン・スタチューとも一線を画していた。
際立って見事なのだ。
で、よく見ればDesigned by Paul Popeとあるじゃないか。
そういえばマスクド・カリンバーもバットマン似の覆面着用だし、これは面白いかもしれないと期待は膨らみ、じつはモダン・コミック・アーティストとしてもはや不動の地位にあったポール・ポープのブログPULPHOPEをたびたびチェックするようになったのだった。
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7月12日のポールのブログでオブジェモチャ化されたマスクド・カリンバーの全体像を見たときは、タマゲタというか、むしろカリンバーが裸足で立ち乗りするピンクのボストンテリアにヤラレタ。
これを目にしてからずっとピンクが頭から離れない、ことあるごとに思い出す。
本物のボストンテリアは小型ながらブルドッグに似た顔に角張ってがっちりとした体の持ち主で、どちらかというと頑固な感じだけれど、きっと愛好家にはこんなふうに映って愛おしいんじゃないかと。
オールド・バットマンの誰も気に留めなかったコスチュームの“年季”にこだわり、いかつい小型犬の表に現れないチャームポイントを巧みに表現した観察眼鋭いアーティスト、ポール・ポープのマスクド・カリンバー、これは絶対逃すわけにはいかないでしょう。
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カリンバーは火星を舞台に繰り広げられる冒険SFコミック『THB』(Tri-Hydro Bi-Oxygenate=架空の分子を表す)の中の脇役である。
THBというキャラも登場するが主人公は10代の女の子、H・R・ワトソンというから、ちょっとややこしい。
1995年にオール・モノクロのコミック第1号が個人出版され注目を集め、去年のSDCC 2007ではAdHouse Books社のフル・カラー版が発表されて大ヒットした。
キッドロボットがポールに接触したのはちょうどそのころ、『THB』のだれをフィギュア化するかでずいぶんと意見の交換があったらしい。
結果はご覧のとおり、ピンクのボストンテリアにまたがったマスクド・カリンバー。
ちなみにそのイヌの大きさは実際のボストンテリアなみだというから、けっこうなボリュームだ。
で、限定300個は発売1時間足らずで売り切れてしまったとか。
あまりに早く品切れとなり、同じように一瞬にして売り切れたジョーレッドの350個限定ユニコーナサウルともども、コレクターのあいだでは100個も販売されなかったのではないかと不満の声が上がっている。
実際、我が現地バイヤー、アレックスとその一味の奮闘は想像を絶し、そろそろはじまる値段交渉の展開はもっと想像を絶するのだった。
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by tomenosuke_2006 | 2008-07-28 18:04 | 未分類
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