日本一のロウブロウアート・ギャラリーでAIKOさんと。
人もクルマもせわしなく行き交う駒沢交差点近くにある1階がラーメン屋の古ビル。
右脇の建て付けの悪いサッシドアを力いっぱい引っ張り開けると、2階へと通じる急勾配の階段が待ち受ける。
ギシギシと音を立てながら登りつめた小さな踊り場に左側の部屋へ通じる入り口が、サインも表札さえ出ていない。
じつはその先に、海外の生なロウブロウアートを紹介する日本でいちばんホーットなギャラリー、en one tokyoがあるのだ。
NYの男だらけのストリートアート・シーンで毅然と創作に没頭し、アメリカはもとよりイギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパにも数多くの信奉者を持つあのアイコさんの作品も、ここで思う存分鑑賞したり、お望みならテイクアウトもできるのだった。
en one tokyoの主宰者は西本将悠希(マサユキ)好青年、ストリートアートがいまだ冷遇されるアート後進国の日本でエバンジェリストをつとめる。
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で、店主がここへ来たわけはアイコさんの新作を拝ませてもらうのと、連日の創作活動から離れ、気分転換やエネルギー補給のためブラリ帰国した彼女に会うため、大事な打ち合わせがあったからなのだ。
「多人種・多原語が入り交じり、酸性雨が降り続く荒廃と混沌の2019年のLAで、奴隷として生まれた非業の人間型アンドロイド(レプリカント)を抹殺するのに使われた銃。かれこれ1年以上かけてようやく完成に漕ぎ着けたそのレプリカ(留之助ブラスター)を収める箱のフタを、アイコさんの天才でストリートのカオスにしてはもらえませんでしょうか」
実際、大都会の危険の中で生きる女性アーティストのアイコさんしか適任者はいないと、ずいぶんまえから思うようになっていた。
彼女がまだ『ブレードランナー』を観たことがないと知って、ますますその思いは強くなった。
アイコさんならレプリカントの女たちが生まれ故郷の地球を初めて見たような目線で、ブレランを受け入れるにちがいない。
9月のNYで友情を育み、帰国してすぐオファー、ふたつ返事で快諾いただき、この日を迎えたのだった。
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アイコさんのPowaerBookG4には、彼女お気に入りのブレランのカットがキャプチャーされていた。
らしい選択でじつに鋭く、間違いない。
参考書籍を2、3冊と箱の図面を渡し、1、2点お願いごとをして、段ボールとインクの色を決めると、あとは一任した。
ブラスターの頂を目指して緊迫する現場の調整に明け暮れてきたのとは異なり、何が飛び出すか分からない即興的な楽しみや気分転換を箱作りに求める店主なのだった。
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en one tokyo
info@galleryscene.com
03.6383.0409


by tomenosuke_2006 | 2008-10-31 10:58 | 留之助ブラスター
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