ちょっと見は地味ィだけど、凄くお洒落で不気味がよい。
「できたら早い時期に引退して聖書をまるごとイラストで描き表したり、万里の長城のすべてにペイントを施してみたい」と言うのはサンフランシスコ・ベースの画家David Choeだ。
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東洋系、1976年LA生まれ、好きな場所はベトナムとイスラエルとNYCとSFのベイエリア、美術学校を中退し独学で現在のアートフォームに到達した。
数え切れないほどの受賞歴、コミック、壁画、プリント、映画、音楽、雑誌、本、Tシャツ、CM、ポスター、シューズなど、あらゆる分野に特異な表現の足跡を残す。
強いて言えば力ずくの技法、乱暴で繊細、我慢に我慢を重ねた色使い、魂を絞り出すようなタッチ、誰にも真似の出来ない絵が彼のすべてである。
そんなデイビッド・チョーのオブジェモチャ作品はこれがまた独創の極み、つねに不気味が重くたちこめる。
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最初の作品は2006年にSF在の4人のアーティストと共作した4つのミニフィギュアで構成されるGet Small San Franciscoの中のひとつ、Siamese Twin(シャム双生児/上)だった、お洋服のセンス抜群、それ以上に素晴らしく怖い。
ブライアン・デ・パルマ監督の衝撃的な日本デビュー作『悪魔のシスター』(1973年)をはじめて観た時のような恐怖に通じる。
前に突き出た真ん中の足をふたつの脳が奪い合うかのように、そこだけが動くというのも、悪寒だった。
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店主、一生の不覚はメーカーから案内をもらいながら、うっかりオーダーを入れ忘れ、気がついたときには売り切れていたハンドメイドの木製人形Choegal Wombat(チョーガル・ウォンバット/上)1000個限定である。
アーガイルのベストに赤のストライプ入りハイソックスがいつもながらお洒落なチョーガル、フードのてっぺんの丸い飾りを回すと顔が変化する手作り工作風ギミックが楽しい、けど怖い。
そして今度こそ入荷するのが最新作のSiamese Twin Choegal(シャム双生児チョーガル/下)なのだ、先の2作品をひとつにまとめた駄目押しの問題作といえるだろう。
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デイビッド・チョーの言葉をかりれば「ひとつより、ふたつの方がいい」。
この新しい木製人形は500個限定、それぞれ素顔と黒い覆面を着けたふたつの顔を持ち、帽子の丸い飾りを回して出したり引っ込めたりできる。
心に渦巻く陰と陽、怒りと悦び、精神のせめぎ合い、収拾がつかない悩める子羊たちよ、シャム双生児チョーガルをあなたの友人に迎えなさい。
男と女でまったく作風も異なるけれど、この春、好評を博した一連のキャリー・チャウ作品にアジアがルーツの同じ血族を連想する店主なのだった。
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コミコンでこんなチョーガルも売り出されたのか、知らなかった。
勉強不足が悔やまれる。
で、ただいま木製フィギュアの絶版バックナンバー、必死で収集しています。
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by tomenosuke_2006 | 2009-08-22 11:36
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