留之助ブラスターAPアップツーデート-2。
9月3日午後4時、徳さんを交え島田さんと3人でAPの仕上げについて最後の確認作業を行った。
場所は喫茶室ルノアール銀座店マイスペースの貸会議室。
早々に飲み物を届けてもらうと、サッとドアを閉め、持ち寄った資料やパーツ、修正を加えたAP用テスト1号などを取り出して、いっきに本題に入った。
まさしくあぶない一団による人目を忍ぶヒソヒソ話といった風、本物のヒーロー・ブラスターを手に取り心ゆくまで観察したことの説得力に勝るものなしと、ふたりの会話に聞き入った次第である。
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島田考察その2/5「ヒーロー・ブラスターのガンブルーについて」

ブルーイングされた銃は“黒鉄色で青みがかった光沢を放つもの”と、日本では多くのGUNファンによって定義付けされているように思われる。
しかし質の良いガンブルーフィニッシュとは、よく磨かれた“硬質プラスチック”や“黒色アルマイト”の表面に酷似した透明感ある、いわば漆黒なのだ。
その皮膜強度は強靭であり、ほんの数回の撮影でぶつけたり、擦れたり、濡れた程度で剥がれるようなものではない。
19世紀中頃のアンティークガンでさえ、銃本体のどこかしらにオリジナルのガンブルーが残っていたりする。
もしヒーロー・ブラスターにそのようなガンブルーフィニッシュが施されていたのなら、凹状部分などに透き通るような黒色が残っていてしかるべき。
しかしLA取材で、そのような個所は一切認められなかった。
ハリウッド映画の多くのプロップガンに見られるフィニッシュはエイジングされたものが多く、1981ブラスターのプリプロダクション資料画像を見ても明らかなように、上記のガンブルーフィニッシュではないと判断する。
実際の色調は金属感のある濃いグレーが基調であり、コーナー部および突起部のすり減り表現で鉄地肌が露出しハイライトとなり、ほどよいムラ染めと相まって引き締まったコントラストを生み出している。
このコントラストは、しばしばオーバーワークされて映像の激しい動きの中で存在感を主張するのだ。
「留ブラAPでは赤錆の表現こそ見直しを要するものの、色調については当初の解釈どおり製作したい」とは、島田さんの言。

留之助商店が3周年を迎える9月末、島田さんが販売用留ブラAPとまったく同じ仕様の完成品サンプル(テスト2号)を飛騨高山へ持参してくれる予定だ。
8挺の予約販売前に、店頭で手に取ってご覧いただける機会をぜひとも設けたいと思っている。
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↑ ホワイトメタルを肉抜きしたのとは異なり、これこそ本物の軽さ。アルミ無垢のグリップフレームはグリップに沿ってひとつずつ前後の側面をカービング、それをソリッドブラックにアルマイト加工したのち、一部エイジング処理される。



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by tomenosuke_2006 | 2009-09-03 23:59 | 留之助ブラスター
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