アルミ製グリップフレームの黒アルマイト加工テストの結果、難題に直面し軌道修正を強いられた島田さんである。
本物のヒーロー・ブラスターを取材し、25年たっても被膜の剥離がない、とくに研磨の境界部分でそれが起きていないのは強固なアルマイト加工だからだろうと結論づけたが、実際にアルミ片でテストしてみると、あの剥げ具合が再現できないのだ。 黒い染料の層とアルミ地肌の間に硬質化したアルミ酸化層が無視できないレベルで主張している。 島田さん曰く「ということは塗装だったのか? LAで触れた本物のヒーロー・ブラスターの仕上げはやたら強度があったのに」。 いまでこそ優れたプライマーが開発されたり、電着塗装や塗料自体が工夫されて、アルミ地肌と塗膜が化学反応を起こして密着するなど、アルミの着色加工は格段に向上したが、25年もまえの映画撮影当時にはアルミを手軽に着色処理する方法はなかったというのが留ブラ・チームの見解だった。 ゆえにアルマイト加工という結論に達したのだが、どうやら勝手な思い込みだったらしい。 その後の島田さんのリサーチによると、1960年代にフォードモータースによって電着塗装が実用化され、1980年代には現在の技術と変わらないまでに進歩していたのだ。 「少ロットでも対応してくれる業者に電着塗装を丸投げするか、あるいは手間はかかるが高性能プライマーの厄介になって高強度塗膜が得られるアルキド樹脂で黒色塗装をかけるか、とにかく仕上がりを期待してほしい」と、島田さん。 そのお手並みは、今週末、じっくり拝見させてもらえる。 LEDユニットが収納されるステアーマガジン・ボトムの後端にクリアーパーツの仕切りが確認できた。(画像-19) APテスト1号では黒いABS板を使い2つ目の固定用マグネットのステイとして製作したが、これをクリアABS板に換装して表現する(画像-20、21は実銃ステアーライフルのマガジン部) マガジンカバー前下部、固定スクリュー穴周りにパーティングラインを再確認、現パーツから削り出しの手法で表現する。(画像-22) 以下の画像はその作業手順である。 ヤスリとカッターの刃、研磨布を使ってパーティングラインを再現している。 樹脂の黒色をさらに濃くするため樹脂用染料で加温染色、乾燥後、拭いて艶出しする。
by tomenosuke_2006
| 2009-09-29 23:34
| 留之助ブラスター
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