追加レポート、アンクルガンのフルオートについて。
なぜかフルオートのことが気になって。
これはその昔、店主がFILM FANTASTIC 3/SF-F映画テレビ大鑑1960-1964(1984年講談社刊)に収録した『0011 ナポレオン・ソロ』のエピソードガイドと、おぼろげな記憶を頼りに、2年前TIME LIFE社から発売されたDVDをざっとチェックしたレポートです。
以前CSで放送された日本語吹き替え版のコピーをお持ちの、先だってアンクルタイプ留之助ver.6のストック製作を担当された機械工氏からもアドバイスをいただきました。

アンクルカービンをフルオートのように連射するシーンは意外に少なく、全シリーズを通じて次の3話が確認できる。
そのひとつは第1シーズンの7話"The Giuoco Piano Affair"、日本では2話目に放送された『アンデスにロケットをぶちこむ』の冒頭のシーン。
次ぎに15話"The Deadly Decoy Affair"、日本では3話の『手錠のままのアベック』の前半で繰り広げられるスラッシュ対アンクルの銃撃戦。
ただしここに登場するアンクルカービンはエクステンション・バレルの先にサイレンサーではなくオープンエンド・フラッシュハイダーを取り付け、スコープは外されている。
そして最後は第2シーズンの通算30話に当たる"Alexander the Greater Affair, Part 1"の中盤、31話のPart 2とともに『地獄へ道づれ』のタイトルで劇場公開され、件のシーンはポスターの絵柄にもなっている。
で、暇にまかせてじっくり観察した結果、フルオートは存在しなかったとの結論に達した。
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『アンデスにロケットをぶちこむ』(上の画像)の冒頭でヘリの急襲に遭いアンクルカービンで反撃するアンクルエージェントは、トリガーを器用に繰り返し引いてセミオートで連射している。
ただし小刻みなフルオートの効果音が使われているため、錯覚してしまうのだ。
ちなみにCSでは『アンデスにロケットを撃ちこめ』に改題、放送された。
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『手錠のままのアベック』(上の画像)こそ唯一フルオートのアンクル・カービンが登場したエピソードだと思っていたが、勘違いだった。
US-M2をベースにしたスラッシュライフルが発するフルオートの銃声がアンクルカービンのカットにかぶさっただけで、アンクルカービンはセミオートの断続的なブローバック・アクションを見せている。
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『地獄へ道づれ』(上の画像)のポスターにもなったアンクルカービンを握るソロとイリアの銃撃アクションほど、フルオートの効果音に助けられたシーンもないだろう。
ソロはかろうじて何発か発射させているけれど、イリアは銃がジャムったにちがいない、スライドを何度も引いたり押したりしているだけなのだ。
リテイクなしの1発撮りというあたりが低予算のテレビ・シリーズらしいところ。
銃撃戦の直後、イリヤがスライドをゴリゴリやった指をソロに見せながら "I cut my finger"(指を切っちゃったよ)とアドリブを言うのだけれど、ソロは何のことだかピンとこない様子で、それがまたとぼけた感じのいい雰囲気を醸し出していた。

というわけでアンクルグリップの右側上部の切り込みは不発ミスを防ぐための加工の痕だと考えて間違いないだろう。
もしかしたら『地獄へ道づれ』のイリヤが手にしたアンクルカービンはその処理がなされていないものだったのかも。
下の画像は例の切り込みを再現した、いまでは懐かしいバクレツパイナップル製フラットグリップ装着のマルゼンP38エアガン2種である。
バクレツさん、元気かなぁ。
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by tomenosuke_2006 | 2009-12-19 23:59 | TV・映画・ビデオ
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