2006年 10月 12日 ( 1 )
1960年代アメリカのオッキモチャのこと・その3
●ロボット・コマンド(Robot Command)1961年〜1969年
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ロボット・コマンドの当時ものカラーTV-CMをみて驚いた。
薄紫のボディにスケルトンの頭をしてるじゃないか。
長年、ロボコマ追いかけてきたけれど、こんなの見たことない。
とにかくムショーに欲しい。
絶対、手に入れてやる。
そう思ったのは去年10月のこと。
さっそくアメリカのコレクターに当たってみた。
アメリカにはロボコマ・ファンで構成されるソサエティのようなものが存在する。
壊れたロボコマから使えるパーツを採り出し、リスト販売している人とか、解説書や保証書をオリジナルの紙質にまでこだわり復刻してる人。
中にはロボコマのもっともデリケートで壊れやすい部分、目の玉の回転を制御する細いゴムヒモを専門に売る人もいる。
値段は10ドル。
オリジナルより耐久性にすぐれ、長過ぎず、短過ぎず、絶妙なサイズに調整したものを届けてくれる。
とにかくロボコマがらみで知り合ったアメリカ人全員に、薄紫バージョンを余分に持ってたら譲ってほしいと、手当たり次第にメールした。
と、半日もたたないうちに2人からレスが。
あのTV-CMは1970年に放送されたもので、薄紫のロボコマは試作品だと。
新製品として売り出される予定が結局は商品化されず、ロボコマそのものも1969年のクリスマスをもってアイディアルのカタログから姿を消した。
つまり生産が打ち切られたというのだ。
ホッ、なければないで、むしろうれしい・・・レアだという理由でとんでもない金額を要求されたらどうしようかと、じつは気が気でなかった店主の気持ち、分かる人には分かりますよねぇ。
ロボコマはやっぱりベネトン風、赤と青と黄色の原色コンビネーションにかぎるのだ。
9年間、作り続けられたロボコマは、初年度の1961年版だけ、右胸の"ROBOT COMMAND"のロゴラベルが黒ベタ白ヌキ文字で作られ、あとは赤ベタ白ヌキ文字に変更された。1960年代アメリカのオッキモチャのこと・その3_a0077842_9144154.jpg
という理由で初年度版がインナー(緩衝材)付きオリジナルパッケージに入り、ロケットミサイル2本、ミサイルボール8個、解説書と保証書が付属し、さらに販売店向け修理マニュアル(左の写真)でもオマケに付いたなら、もはや恐ろしい値段になってしまう。
ちなみに修理マニュアルはロボコマ生誕40周年を記念して、2001年にソサエティのメンバーが復刻版を100部だけ限定出版したが、いまではそれだけで150ドルの値がついている。
以上はいまのアメリカでのロボコマ事情だが、かつて1960年代中ごろ、日本へもロボコマの波が押し寄せていたのだった。
第一次アニメブームに乗ってアトムや鉄人28号や8マンや、ときにはロボットキャラではない“のらくろ”や伊賀の影丸まで、もはや手当たり次第にロボットプラモ化していたイマイが、アメリカで大ヒット中のロボコマの権利を手に入れ、日本向けに改名して、その縮小版(日本の住宅事情を考慮した?)を2種類発売したのである。
まず大きい方がビッグサンダー。
本家のおよそ2/3のサイズで、本家と同じアクションを、マイクロフォンのギミックなしのふつうのリモコンで操作する。
小学5年生だったか、6年だったか、店主もビッグサンダーの組立てに挑戦したが、難しすぎて完成できなかった。
もちろんロボコマの存在をまったく知らない当時の店主だったが、他のイマイのロボットプラモにはない毛色のちがい・・・今風にいえばアメリカン・ポップな香りを感じとっていた、ような気がする。
ビッグサンダーは動かなくても特別で、子供部屋のいちばん目立つ場所に飾ったのだった。
もうひとつ、ビッグサンダーのさらに縮小廉価版としてベビーサンダーが作られた。
モーターで走り、ミサイルの発射は手動、両腕の付け根の黄色いパーツは省略されて赤と青のツートンカラーとなり、見るからに貧弱な子だった。

●キング・ザー(King Zor)1962年〜1964年
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ロボコマと同じアイディアルから発売されたキング・ザーは、口語体で発音すれば、キンザーである。
キンザーはキャスティングされた緑色のプラスチックのからだに、黄緑色のセルロイド製手足を持つロボット恐竜。
アメリカ征服を企てるマッドサイエンティストが発明した、らしい。
攻撃用の銃と吸盤付きのダーツが8本付属して、当時の値段はロボコマの14ドル97セントよりわずかに安い12ドル63セントだった。
が、現在では生産数がはるかに少なかったことと、セルロイドの手足が壊れやすく、簡単には完品を見つけられないという理由で、程度のいいキンザーにはロボコマ以上のプレミアがつく。
当店の販売価格もハンパじゃなく、ここで口にするのもチョットネーである(興味のある方は直接お店までご連絡を)。
箱付き完品と、箱なし完品と、付属品なしのキンザーのみとでは、現在のアメリカでの取り引き価格にそれぞれ500ドル以上の差がつく。
つまりパッケージだけで500ドルするということ。
笑ってやってください、店主はその劣化した段ボール箱のみに600ドル、送料50ドル、日本円でしめて78000円も払いましたとさ。

グレート・ガルーとビッグ・ルー
by tomenosuke_2006 | 2006-10-12 09:46 | ムカシモチャ