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留之助ブラスター・アップツーデート-11。
サイトに掲げられている業務内容は「刃物及び専用工具等の製造及びデザイン、刃物製作に関わる材料、工具の開発及び販売、各種アウトドアグッズの製造と販売」とある。
そのNEMOTO KNIVESを主催する根本朋之さんと相棒の池田庄一さんが理想のLEDユニットを造り上げてくれた。
前回の記事にstarblogさんから「人のつながりで出来上がっているのが伝わります」とコメントをいただいたが、まさしくそれを強く実感したのがステアー・マガジン部に組み込まれたLEDユニットの電子機器然とした佇まい、美しく洗練された構造を目の当たりにしたときだった。
まだ一度もお会いしたことのないお二人、根本さんと池田さんに心よりお礼申し上げます。
また、根本さん作のカスタムナイフのひとつにLEDを光源とするフラッシュライトが組み込まれていたことを思い出し、彼らに開発を託した島田英承さんのヒラメキに頭が下がる思いです。
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たとえ露出しないとはいえ、レシーバー内壁の形状にまで拘った原型師、徳信尊さんの意志を損なうことはしないでほしい、整然とした基盤デザインと組み付けの簡易さ(店主でもできる)を目指してほしい。
店主が島田さんにお願いしたのはそれくらいだったが、NEMOTO KNIVESのお二人はそれ以上の仕事をしてくれたのだった。
各種抵抗パーツをあらかじめハンダ付けした基板が用意され、5発のLEDの配線は基盤に埋め込まれたソケットへ二股の足を差し込むだけで完了する。
バッテリーケースもソケットへ差し込むだけで配線完了。
スイッチボックスへの配線のみコードを使用するが、これも差し込みで配線できてしまう。
つまりハンダゴテを必要としない組み立てやすさを考え抜いた設計なのだ。
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さらに電子ユニットの設計を得意とする池田さんが、駄目押しのサプライズを用意してくれていた。
電源を入れると、即、光るようなオモチャっぽい動きとは異なる、APPLE製品を知る人ならたやすく想像できるだろう、あのスリープランプのホタルのようなボワーンとした発光のしかた。
スイッチをONにするとLEDがゆっくりと光量アップしながら点灯するのだ。
LED5発にバラバラの電子パーツと四角く切った基板、それに電線をまとめてビニール袋に詰め、「どうぞハンダゴテ片手に組み付けてください」とするのはたやすいが、何事にもユニークでありたい留之助ブラスターとしては、この完全ユニット化もまた“らしさ”を強調する極意のひとつにほかならない。
素晴らしい人たちに支えられながら、ブラスターは着々と完成の頂に向かっている。
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by tomenosuke_2006 | 2008-09-27 18:48 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-10。
徳さん、島田さん、店主の3人が揃って足立区保木間のモデルファクトリー・ヒロさんを訪ねるのは半年ぶりだ。
着々と製品化に向けてテストが繰り返され、気泡の一切ない完璧なキャストパーツが予定通り今月中に揃うことを確認した。
琥珀グリップのトーンが決まった。
実際のブラスターのグリップは既成の着色済み透明ブラスチックのプレートか、あるいはブロックを削り出して造られたのではないかという推察のもと、島田さんにはリサーチをお願いしていた。
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どの業界にもその道のオーソリティはいらっしゃるもので、1980年代はじめに生産されたカラープラスチックと現行品に大きな変化はなく、また世界の代表的なメーカーは互いに汎用性を重んじてよく似た色調の製品を製造していたとアドバイスいただいた。
その結果、30年来、変わらぬ製品を作り続けている三菱レイヨンの現行のカラー見本帳のオレンジ色に倣っても間違いないだろうという結論に達し、田中工場長がテストで染めた琥珀グリップを用意してくれていた。
修正の必要がないイメージ通りの仕上がりだった。
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キャストパーツはいいが、挽き物の製造が遅れ気味だ。
とくに拘わり続けた一体成型シリンダーを挽くための特殊な工作機械が別の製品のためにフル稼働中で、なかなか留之助ブラスターの順番が回ってこない。
10月中旬にはすべての挽き物が揃うと、田中工場長が確約してくれた。
うまくいけば11月はじめにキットを先行販売、12月には完成モデルの発売に漕ぎ着けそうだ。
一方、飛騨高山では徳さんの図面を元に当店常連のロケットさんが組立分解図を作製中で、こちらの進行ぐあいも楽しみでしかたない。
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途中経過/ロケット作CGダイアグラム。
by tomenosuke_2006 | 2008-09-09 23:59 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-9。
1ヵ月以上、十分な報告ができないまま、もう9月を迎えようとしている。
留之助ブラスターについてコメントやお問い合わせいただいたみなさんをまるで放置しているようで、申し訳ございません。
アーティストプルーフの製作だけでなく、マスプロダクションのコーディネーターも兼任する島田英承さんとモデルファクトリー・ヒロの田中工場長にすべてを託し、ただただ待ち続けた30日間だった。
シロウト考えや憶測の及ばないモールド製作上の試行錯誤があったのだと思う。
徳さんのあの非の打ち所のない原型をどこまで正しく再現できるか、両人の苦心を思うと頭が下がる。
とにかく昨日、テスト成型の先行分(下の画像)が島田さんに届けられた。
見事な出来栄えだという。
画像キャプションに代えて、島田さんから当方へ送られてきたメールを引用したいと思う。

a0077842_14301675.jpg他のパーツも同様ですが、プラモデルがパーツごとにランナーでつなげて型抜きするように、同色のものとかボリュームの近いものを同時に成型する事でゴム型の数を最小限にし、パーツの体積の近いもの同士を一緒に成型する事でヒケや歪みを防止します。

a0077842_1447040.jpg今回のテスト成型の先行分はLEDユニットの製作のために出してもらったものです。下穴の加工と以前プレゼンした試作ユニットを仮組みテストをしたうえで、指示書(メモ)を添付してユニット製作者へ送ります。
9月中旬、全パーツのテスト成型分と挽き物類が揃い、試作品の作製に入る。
9月末、まず100挺分の全パーツが揃う。
by tomenosuke_2006 | 2008-08-31 14:58 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-8。
コメントをはじめ、メールや電話などで貴重なご意見、励ましのお言葉などたくさん頂戴し、留之助ブラスター製作スタッフを代表して心よりお礼申し上げます。
また、発売が大幅に遅れていますこと、どうぞお許しください。
かねてより計画していましたSDCC 2008での試作品展示にゆとりを持って臨めないことが6月はじめに分かり、店主の勝手な判断でデッドラインを白紙に戻し、もう一度、原型の見直しや作業手順の再編に時間を割いたのが、そもそもの遅れる要因となってしまいました。
さらにあの忌まわしい秋葉原の事件にも足を引っ張られる羽目になりました。
アートナイフ・クリエイターの第一人者であり留之助ブラスター製品化のためのキーパーソン、島田英承さんが業界団体の諸事で多忙を極めるようになったからです。
とにかくやっと量産のスタートラインに立ったという感じでしょうか。
モデルファクトリー・ヒロの田中工場長のお話では、8月お盆まえにはすべてのキャスト・パーツが揃うということですので、次回はもっと明るい話題をお伝えできると思います。

パーツリスト、訂正。
7月21日の記事で紹介したパーツリストのうち、フレームを左右に分割した状態を撮影していなかったので追加したいと、徳さんから下のような画像が届きました。
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さらにあと2点の画像もご覧ください。
by tomenosuke_2006 | 2008-07-23 22:51 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-7。
これが修正を重ねてたどり着いたキャスト用原型パーツの最終形、徳さん手作りのパーツリストである。
いまのところお見せできるものといえばこれくらいで、陳謝。
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生々しいパーツリストのすべてはこちら。
by tomenosuke_2006 | 2008-07-21 18:22 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-6。
挽き物に必要なのは、よくできた原型ではなく精密な図面。
シリンダーは本物同様にシームレスな一体ムクの仕上がりがいちばんと思っていたが、レジンキャストではそれが叶わず、コストはかかるがABS樹脂を削り出す挽き物でいくしか手がないことが判明した。
挽き物製作には原型より図面がほしいとモデルファクトリー・ヒロさんから要望があり、徳さん、必死でそのための図面を書き上げた。
本日、すべてのキャスト・パーツの製造について正式にゴーサインを出した。
細かなバネをはじめナットやボルト一式、組立て用レンチなどのコストも出て、あとはLEDユニットの製作見積もりが出てくるのを待つのみとなった。
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留之助ブラスター(仮称)に多数のコメントをいただき、ありがとうございます。
意見交換のありましたホワイトメタル合金についてですが、店主も当初はRPG用メタルフィギュアを連想して内心、気が気でなりませんでした。
が、我らが島田英承さんという強い味方のおかげですべての不安は解消しました。
モールドへの注入作業の確実性、仕上がりの硬度、さらには染料のノリ具合まで考慮した最良の配合比を幾度かのテストで導き出し、留之助ブラスター専用アロイを完成させてくれたのです。
仕上がりをご期待ください。
by tomenosuke_2006 | 2008-05-15 23:18 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-5。
一石二挺(鳥)とはこのことだ。
シリコンモールドで抜くホワイトメタルの唯一の問題点は、肉厚な個所の表面が荒れることにある。
それを“ス”と呼ぶ人もいるが、厳密には内部に細かな空洞ができるわけではないし、“ピンホール”のように深い穴でもない。
ホワイトメタルを扱うハリウッドのミニチュアメイカーやプロップマンは、それをポックマーク(pockmark=アバタ)と呼んでいたように記憶する。
ホワイトメタル表面の荒れ、ポックマークは、予想したとおりテストでレシーバーの一部とグリップフレームに現れた。
レシーバーに関しては、肉厚な部分の内側を1ミリ程度削り取ることで解決をみた。
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問題はグリップフレームだった。
実際には軽量のアルミを削り出したそのパーツをホワイトメタルに置き換えると、全体の重量バランスを損なうのではないかと懸念していたが、モデルファクトリー・ヒロの田中工場長と徳さんがポックマークを回避し、しかも軽量化する策を講じてくれた。
フレームの肉厚部分をごっそりエグリ取り、両側からフタをするというもの。
パーツが増えて予算的には頭の痛いところだが、これで最後の修正も完了した。
GW明けに最終見積もりが出たら、いっきに生産に入ってもらう予定でいる。
by tomenosuke_2006 | 2008-05-01 16:10 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-4。
アドバイザーをお願いしているブレランのに〜ぜきさんから届いたメール。
「ワーコンでの展示では、ご存知のようにウィーバーライフルスコープの部品がついてましたが、レジンでの複製時点ではマイナスのネジですよね。(中略)ここへきてハイデフ映像での解析から、劇中のブラスターはマイナスしか確認できない・・・よって、ウィーバー部品は現在の所有者による後づけでは?という疑念が出ているようですね。そこでマイナスネジもオプションでつけるということはいかがでしょう。どちらかが真実であっても(後に判明したとしても)どちらもOKというわけです」
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ウィーバースコープ330/29sを装着したM1903A4ライフル。
第二次大戦時、スナイパーライフルとしてアメリカ軍に正式採用された。


真意はともあれ、それまでマイナスネジだと思っていたパーツにダイアルが切られ、後日それがウィーバースコープ・ノブだと知った時、リドリー・スコット監督が目指す2019年の世界観を見事に捉えたプロップメーカーのセンスの良さを強く感じた。
プロダクション・デザインのコンセプトがSF映画『2300年未来への旅』のような整然とした、あるいは斜めにジッパーが付いた洗練ではなく、現在(1980年代)あるものにパーツやユニットを付け足したしたり改変した、1980年代の観客が実感できる地続きの未来であらねばならないという、それである。
LAに散在する元来が未来趣味だったアール・デコ・アーキテクチャーや1930年代のマシンエイジ・デザインをセットや装飾にすすんで引用し、過ぎ去った未来の混沌に2019年の都市イメージを紛れ込ませる。
デッカード・ブラスターもまた、その定義の上にデザインされたとみていいのではないか。
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1929年に自動車メーカー、ダイムラーの傘下に組み入れられたステアー社。
その実用高級銃マンリカー・ライフル・SLモデルのボルトグループ部分は
他のいかなる銃にもない美しい流線型を描いている。


正円に限りなく近い断面を持つレシーバーの丸み、滴の尾のようなボルトスリーブの流線型、それに加えて右側面の中心にウィーバースコープ・ノブを配置する。
1942年に軍に正式採用されたマシンエイジ生まれのスコープの、もっとも機械的な部分がノブであり、それはまた“機械的”という言葉が“装飾的”の同意語として用いられていた時代の産物だった。
そう考えるとブラスターを造り上げたプロップメーカーの造詣の深さや目論見に一歩近づけたような気がして、20数年ぶりに公開されたワーコンモデルのあの錆びが浮いたようなレシーバーや使い古された状態も、けっして保管方法が悪かったのではない、映画のセットや他のプロップ同様、意図的にそう仕上げられたのだろうと思えてくる。
廉価版キット、完成品、12挺限定アーティストプルーフという3バージョンで準備を進めている留之助ブラスター(仮称)のうち、アーティストプルーフについては島田英承さんがグリップフレームを1点ずつアルミで削り出し、ワーコンモデルを意識して仕上げる予定だ。
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ホワイトメタルで抜いたレシーバーのファーストラン3本。
手前の1本はテストブルーイングが施されている。


に〜ぜきさんのアドバイスどおり、マイナス・ネジとウィーバースコープ・ノブはどのバージョンにも付属させる。
また12挺のアーティストプルーフには本物のウィーバースコープ・ノブを使用したいと考えている。
さらにサファリランドのショルダーホルスター1001モデルを改造した専用ホルスターも付属させる予定でいるが、まだ5点しか入手できずに苦慮している。
ライセンスはいまも交渉中で、取得できればオフィシャル製品として売り出すことができ、LAの大手ディーラーDKE TOYS DISTRIBUTIONがワールドワイドの販売を請け負うことになっている。
そうなれば1000挺は製造できるし、販売価格も大幅に抑えられる。
ライセンス代は1挺につき3000円程度上乗せされるだけだ。
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メタルパーツと樹脂パーツの混合モデルのため強度を確保するのが最大の懸案だ。
写真左から田中工場長、島田さん、吉井代表、徳さん。


ライセンスが下りない場合はガレージモデルとして販売するしかないだろう。
3月31日月曜日、東京でのブラスター会議。
ガレージモデルを想定し3バージョン合わせて100挺、200挺、300挺の3段階で見積もりを出すよう大東製作所の吉井代表にお願いした。
一部の修正パーツを除き、ほとんどの原型は実際のキャスト製作を担当するモデルファクトリー・ヒロの廣代表と田中工場長に託され、徳信尊さんを中心に、島田さん、吉井代表も加わって最後の詰めに入っている。
実銃を握った時の、意識して手首に力を込めなければ重みで銃口が下を向くあの感覚、あのバランスを再現してほしい、まるでガバメントを構えたような。
同時に振り回してもビクともしない頑丈さを確保してほしい。
そんなリクエストを出して会議は終わった。
次回のブラスター会議は4月9日水曜日の予定。
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エアキャップの上にならぶ各種原型をメタルパーツ化する予定でいる。


by tomenosuke_2006 | 2008-04-06 23:59 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-3。
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『ブレードランナー』25周年も一段落し、玩具関係のライセンス供与の条件も緩和されそうだとのニュースがハリコレの代表、胸組さんからもたらされた、2月中旬のことだ。
数日後にはNYのInternational Toy Fair(2月17日〜20日)へ出かけるという彼にLAでブレランのライセンス関係者に会ってもらうことになった。
徳さんにそれを告げるとますますテンションが上がり、さらに完璧を目指し修正を重ねる。
LEDのインストール、懸案だったインチ六角ネジも思い通りのものが入手でき、とりあえず最終組み付けに漕ぎ着けた。
まずはメタルパーツの見積もりが、近く出る予定だ。
ライセンスを取得するのはいまだ容易ではないけれど、留之助ブラスターがいちばん近いところにいることに間違いはない。
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フォトアルバム3に新画像(21〜36)を追加した、ご覧いただきたい。
フォトアルバム・トップ:http://homepage.mac.com/tomenosuke/
パスワード:5060054
by tomenosuke_2006 | 2008-03-01 17:42 | 留之助ブラスター
留之助ブラスター・アップツーデート-2。
徳さんへ。
かつて頭ごなしの厳しいスケジュールに追い立てられ不本意な作品を納めざるを得なかった苦渋の体験者として、せめて貴君には十分な時間を遣ってもらいたいと思う。
店主にできるアドバイスといったら、それぐらいしかない。
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まだアナログなSFXの時代、ある映画で我ながら上手いと思う特殊なアニメーション・シーンを撮ることになった。
子供たちの描いた運動会のさまざまなクレヨン画が縦横5枚ずつ計25枚、小学校の玄関ホールの壁に画鋲で掲示されている。
その絵が怪しく動き出し、絵と絵がつながり、しまいには25分割された大きな運動会の全景となって二人三脚競争が繰り広げられるのだ。
“原寸大画用紙アニメ”と名付けた劇中もっともロウテクなSFXシーンは、撮影所に組まれた玄関ホールのセットをそのまま使い、夜を徹して2日で撮り上げる計画だった。
アニメーターの長崎希さんが画用紙に手描きした2000枚以上の絵の束を撮影所に持参した。
が、撮影直前に映画製作会社の経理担当プロデューサーが、今夜中にセットを解体すればスタジオ・レンタル代が2日分節約できると言い出したのだ。
金鉱を発見した山師のような態度は強硬で、もはや他人の意見に耳を傾ける知性など期待できそうになかった。
午前0時までの4時間で撮れなきゃ、予定変更だね。
アニメなんてものは、アニメ・スタジオで撮ればいい。
その絵を、セットで撮影した前後のカットではさめばいいじゃないか。
店主がSFXプロデューサーとして働いた日本映画界では、ときに予想もしない価値観と人の壁に阻まれて、涙を呑む場面を幾度となく体験させられたのだった。
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慌てる必要などない。
徳さんには思う存分時間を遣ってもらいたい。
年内に書き上げる予定の刻印原稿は正月返上で進められ、休み明けにまずマガジン回りの原稿がブラスターの原型とともに大木金版所の代表、大木健司氏に渡された。
カスタムナイフ作家で、あらゆる種類の金属や樹脂の加工に造詣の深い当プロジェクトのアドバイザー島田英承さんが太鼓判を押す機械彫刻の専門家が大木さん、トイガン業界では知らぬ人がいない刻印の達人であり、徳さんの前作クラリックガンのそれも大木さんが請け負っていた。
わずか3日間で仕上げたという曲面を描くマガジン底部(いちばん上の画像)の浮き彫りの美しさに、だれもが魅とれてしまった。
とりわけ徳さんの感動は半端ではなかった。
画像がメールされると同時に電話があり、その声は刻印の研究と書き起こしに費やした何ヵ月もの苦労がいっきに報われた喜びに弾んでいた。
マガジン刻印の完成と引き換えに残りの原稿が渡され、まもなくすべてが見事に仕上がった。
だが、しかし。
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実際の銃刻印は、反転された文字や文様で構成される鋼のスタンプを使い、特殊な機械で圧力をかけながら各パーツに刻まれる。
よってスタンプの文字や文様の凸面は鋭角に処理され、結果、刻印の凹面はV字状となり、とりわけ文字の先端は直角を描くわけだが、機械彫刻ではそこまで再現するのは不可能なのだ。
それを早い時期から指摘し、解決の糸口を模索していたのが島田さんだった。
目を凝らさねば見分けがつかない刻印の先端部のアール(上から3つ目の画像を参照)は、徳さんが一文字ずつ修正することになるだろう。
また凹面の処理には島田さんの秘策が使われる予定である。
いずれにしても徳さんの仕事は山を越え、次はキャスト成型の専門家、大東製作所の吉井城延氏に製品化へ向けての主要な作業が委ねられる。
シリコンモールドから抜く琥珀グリップの収縮率を0.4パーセント以下にとどめる新素材があると語る吉井さんもまた、島田さんの懐刀のひとりなのだった。

製作過程が一望できる最新のフォトアルバムをご覧いただきたい。
また2007年10月28日の1回目と12月24日の2回目のフォトアルバムも合わせて閲覧できるよう更新した。
フォトアルバム1〜3:http://homepage.mac.com/tomenosuke/PhotoAlbum14.html
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by tomenosuke_2006 | 2008-01-29 18:17 | 留之助ブラスター