![]() 1941年のディズニー・アニメダンボのオリジナル・ポスターの由緒正しきニセモノである。 大きさはB全サイズよりちょい細長の、アメリカでいうところのワンシート・サイズ。 で、これのどこがニセモノかというと、本物の印刷物ではないという点。 厚手のボードに手描きされた1点ものなのだ。 なら、なぜ由緒正しいかというと、スピルバーグの1979年の映画1941(イチキュウヨンイチ)の映画館のセットの入り口を飾るよう、わざわざ作られたものだから。 つまり1941の本物プロップのニセ・ダンボ・ポスター。 きっと本物を見つけ出すより、何かの資料をもとに描いちゃった方が早いってことになったんだろうね。 同じスピルバーグの未知との遭遇で脚光を浴び、この映画でも膨大で精巧なミニチュア・セットの製作を指揮したグレッグ・ジーンが大事に保管していたものを譲り受けた。 ハリウッド大通りのオープンセットの電柱にくくりつけられていた高さ3メートルあまりのサンタクロースの電飾(1941のリンク先で確認可)のオマケ付きで。 ニセモノやレプリカよりは、もちろん本物にこしたことはないけれど、ニセモノやレプリカも時として本物とは別の意味や価値を有する場合がある、と思わせる一瞬だね。 #
by tomenosuke_2006
| 2007-01-03 15:45
| プロップ
お店にあるものはぜんぶ売り物、非売品は置かない。
っていうのが留之助商店のモットーなんだけど、あわてて売らなくていいもの、あまり売りたくないものなんかには、忘れたフリしてプライスタグをつけてない。 冷やかしでもそうでない人でも、値段をきかれた場合には、とりあえず大袈裟な、けん制球的値段をいうことにしている。 おかげさまでT1のエンスケやエイリアン2のウォーリアなど、本物プロップの値段を聞いて、じゃぁこれちょうだいっていった人はいまのところいない。 これいくら?って聞く人は、たぶんそれが何なのか知ってるわけだよね。 そういう意味では一度も値段を尋ねられたことがない、つまりほとんどの人に興味を抱いてもらえない、でも店主イチ押しのプロップが、下の写真のカブリものなのであるよ。 ![]() 発泡ウレタンのかたまりをナイフやハサミで巧みに削り出し、その上にラテックスゴムをハケ塗りして形状を整え、眼球レンズを接着し、ブラシで色を吹いて仕上げた、専門用語でいうところのビルドアップ・マスクだ。 粘土彫刻を石膏モールドにとってラテックスゴムで抜く式の量産型マスクとは異なり、これは正真正銘の1点もの。 天にも地にも、これ1ッコきゃない。 凝視するまでもないだろ、作者の情感さえ伝わってくる生々しい仕上がり。 店主にとって、これこそ芸術のナニモノでもないのだ。 作者はリック・ベイカー。 スペシャル・メーキャップ界の大御所、アカデミー受賞歴6回、いまでは神のような存在のリックが、まだ無名時代の1977年、B級SF映画溶解人間でボランティア的活躍をした直後にモンスター好きの友人(フィル・ティペット、ジョン・バーグ、ダグ・ベズウィック、ロブ・ボーティン)たちといっしょに雇われ、タイトなスケジュールと予算の中で創り出したエイリアンのひとつだった。 その映画とはスター・ウォーズ。 モスアイズリーの街の奇っ怪なエイリアンひしめく酒場カンティーナに、このツーホーンズはたむろしていた。 エリアン(2年後)でノストロモ号をデザインするロン・コッブのスケッチをもとに、リックによると、たった一晩で創り上げたものらしい。 いうまでもないけれど、SWの空前絶後の大ヒットでカンティーナ・シークェンスも大いに話題になり、結果、リックはスター・メーキャップ・アーティストの仲間入りを果たした。 そんな歴史の生き証人のようなツーホーンズが、飛騨高山のここにあるのが面白いよね。 ![]() TV特番スター・ウォーズ・ホリデー・スペシャル どういう経緯で店主のものになったかという話のまえに、ツーホーンズの変遷を少しばかり。 もともとツーホーンズはグレーっぽい色をしていたけれど、SWが公開された1977年のサンクス・ギビング・デイ(11月第4木曜日の感謝祭)にTV放送された特番“スター・ウォーズ・ホリデー・スペシャル”にゲスト出演した際、いまの色に化粧直しされた。 最初の撮影で表面のラテックスゴムが剥がれたり、傷ついたりしてダメージがひどく、グレーよりも濃い色でボロを隠す必要があったんだって。 そして3年、ツーホーンズはリックんちで大切に保管されてきたわけだけれど、日本から来たモンスター好きの青年(つまり店主)にあげる気になったと。 じつは前日、1980年の秋のある日、どういういきさつだったか忘れちゃったけれど、ユニバーサル・スタジオのジョン・ランディス監督のバンガロー(オフィスでも小ぶりの1軒屋をこう呼んだ)でジョンとリックに会えることになり、こういう日のために用意しておいた日本土産を持参した。 ![]() ↑ いまでも写真だけは大事にとっているところが店主らしい。 東京時代、コツコツためてきたムカシモチャのうち、ブルマァクのゴジラ(左)をジョンに、箱入りマイティコング(右)をリックにプレゼントしたのだよ。 こうして翌日、リックのワークショップに招待されたとき、お返しだよと渡された段ボール箱の中にあれ、ツーホーンズが入ってたというわけ。 オモチャミチは身を助ける、ことわざ通りでありました。 あまりのうれしさに心臓が止まりそうになった若き日のこと、そういう店主をやさしく眺めるリックの笑顔を、いまも鮮明に思い出すことができる、ウウッ。 ツーホーンズを店主が持ってると知ったら、きっとジョージ・ルーカスさん、欲しがるだろうね。 もし値段きかれたら、どれくらいのけん制球、投げようかしらね。 ![]() ツーホンズが入っていた箱。クリック拡大してよく見てごらん。 #
by tomenosuke_2006
| 2007-01-02 23:36
| プロップ
![]() そこでティム・ビスカップやフランク・コジックといっしょになってカイジュウをデザインしたのがジョー・レッドベターなんだけど、知ってる? 店主、ここ1年ばかり、ずっと気になってたロウブロウ・アーティストなんだよね。 WHEATY WHEAT STUDIOSから出た彼のフィギュア、ミスター・バニー(右上/400個限定)とキッドロボットから出たティーター(左下/400個限定)を1個ずつ、やっとの思いで手に入れ、しまいこんだまま、まだお店には出してない。 ウサギ、ネコ、サル、コウモリ、ドラゴンなど、いろんなアニマルに大きな目(ときには睨みをきかした)をくっつけ、エッジとカーブを巧みに織り交ぜたラインと、ドキッとするような配色、またはグラデなカラーリングで独特のキャラを創作しているレッドベター。 ちょいまえ紹介したランチボックスの集合写真の真ん中、大きな舌のドラゴンも彼のだよ、チェック。 レッドベターサイトの自己紹介文によると、ねっからのLAっ子でアパレル・デザイナーとしてスタートしたみたいだね。 2004年、自らのキャリアをロウブロウ・アートに絞り込むと、それまであたためてきたキュートな漫画風アニマルキャラを洗練・発展させ、キッドロボットその他のバックアップで、あっという間に人気作家の仲間入りを果たした。 年齢不詳、まだ若い。 最近、TOY2Rから8インチ・キューイーの新作“猛毒沼のクマさん”(左上)を発表したけれど、これまた品薄。 なんとか2個、アメリカの専門店から1月はじめに届くことになり、胸撫で下ろしました。 ![]() いまじゃ店主の頭の中ではレッドベター・イコール・入手困難、そんな感じで通ってます。 というわけで今年最後のブログは、店主がいまいちばん気にしてるアーティスト、ジョー・レッドベターの紹介で締めくくりだね。 ではでは、よいお年をお迎えください! I and the Tomenosuke family wish you a Happy New Year. #
by tomenosuke_2006
| 2006-12-31 16:59
今年のモチャ計画の中でも、いちばん悔いが残るのは。
ハミルトン・インベーダーズをコンプリートできなかったことかなぁ。 ![]() アメリカ住まいしてた1980年代に知り合い、ぼちぼち集めてきたレムコ社のSFモチャ。 あれからでも20年以上、デビューは1964年だから、もはや40年以上もまえの堂々たるムカシモチャなんだよね。 ![]() 時代はまさしくロボット・コマンド、グレート・ガルー、0011ナポレオン・ソロ(MFU)なんかと同じ、懐かしの1960年代。 地球侵略に現れた宇宙昆虫軍団VS.アメリカ軍の闘いをSF映画の題名みたいにハミルトンズ・インベーダーズと名付けて、それにまつわるいろんな種類のモチャを発売した。 ![]() いちおう48分の1のミニソルジャーといっしょに遊べるようになっていて、宇宙昆虫は毒々しい色合いのトンマなデザイン(店主の趣味にぴったり一致)、迎え撃つアメリカ軍の装備はシャープで未来風。 どこかハインライン原作の映画スターシップ・トゥルーパーズを連想してしまう(お店にはスペースなくって並べてないけど、スターシップ・トゥルーパーズのアクションフリートものはコンプリート・セットをいくつも在庫してるから、興味のある方はご連絡を)。 上に紹介したのは、そのハミルトンズ・インベーダーズの、これまたとってもレアなカタログ。 こんなの持ってるばっかりに、ますます集めてやろーッていう気になっちゃうんだよね、来年こそは。 #
by tomenosuke_2006
| 2006-12-31 12:49
| ムカシモチャ
|
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